MCTオイルと言うものをご存知でしょうか。
最近ネットでよく見かけるので、なんだかダイエットに効果的なことは知っているけれどもよくわからない。というかたがほとんどなのではないでしょうか。
ダイエット食品というのは中身をしっかりと理解しないまま、ただ闇雲に摂取しているだけでは効果が出ないどころか、逆効果になってしまいます。
もちろん、今回紹介するMCTオイルも例外ではありません。
MCTオイルの正しい使い方を勉強し、効率よくダイエットをしていきましょう!
目次
MCTオイルとは?中鎖脂肪酸のこと
MCTはMedium Chain Triglycerideの頭文字、日本語に直訳すると「中鎖脂肪酸」という意味に成ります。
つまりは油こと。
油は1gで約9kcalもの熱量を持っているために、ダイエットではかなり敵視されていますよね。
このMCTオイルもダイエットに効果的とは言われているものの、元を正すと油ですので高カロリー、闇雲に摂取するだけでは太る一方です。
では、なぜこのMCTオイルがダイエット食品として注目されているのでしょうか。
油というのは
- C(炭素)
- H(水素)
- O(酸素)
の3つの原子が結合することで形をなしていますが、この結合の長さにより分類することが出来ます。
炭素原子の数により、分類されるのですが、
- SCT (Short Chain Triglyceride) :炭素原子が4個以下
- MCT (Medium Chain Triglyceride):炭素原子が5-12個
- LCT (Long Chain Triglyceride):炭素原子が13個以上
といったように分類することが出来ます。
もちろん、結合が短くなればなるほど消化にかかる時間も短くなるために、エネルギーとして利用しやすくなります。
ですので、LCTオイルではなくMCTオイルを摂取したほうが上手にエネルギーとして燃焼しやすく、体脂肪として残りにくくなるわけです。
MCTオイルの主な効能はこの3つ
エネルギーとして利用しやすいMCTオイルを摂取すると、
- 体脂肪が減る
- 内臓に優しい
- ケトーシス体質に速やかに移行できる
などを効能を期待することができます。
体脂肪が減る
いつも料理に使われている植物油をMCTオイルに変更するだけで、食事により摂取した脂質が体脂肪として身体に残りにくくなります。
「置き換えること」がとても重要で、MCTオイルがダイエットに効果的だからと追加で摂取してしまうとカロリーオーバーになり、太る原因となってしまうので注意しましょう。
内臓に優しい
消化が簡単なMCTオイルは内臓に負担をかけることなく摂取することが出来ます。
最近なんだか胃が持たれ気味だ、という方は是非このMCTオイルを試してみてください。
ケトーシス体質に速やかに移行できる
ケトジェニックダイエットを行なっている場合、このMCTオイルは非常に心強い味方になります。
ケトジェニックダイエットの最も難しいフェーズはケトーシス体質への移行期です。
炭水化物の摂取を完璧に制限しつつも、まだケトーシス体質に移行できていなくて空腹感に襲われます。
可能であれば、この移行期はなるべくスムーズに成功させたい。
そこでおすすめなのが、このMCTオイルです。
エネルギーとして利用しやすいMCTオイルを適度に摂取していくことで、ケトーシス体質のエネルギー源であるケトン体を大量に作り出し、速やかにケトーシス体質に移行することが出来きます。
なので、ケトジェニックダイエットを行っている人は、積極的にMCTオイルを摂取している人が多いです。
MCTオイルのダイエットへの効果はある?
上記で紹介したMCTオイルの効能を見て頂ければ分かる通り、MCTオイルによるダイエットへの効果は「エネルギーとして利用しやすい」ことが基盤となっています。
つまり、MCTオイルがダイエット食品だからと闇雲に摂取しているだけでは、ただカロリーオーバーを引き起こすだけで、意味はありません。
それよりも、いつもの食用油(LCT)を「エネルギーとして利用しやすい」MCTオイルにすることで体脂肪を増やしにくくすることが出来るのです。
ただ、
- 胃もたれを最近感じる方
- エネルギー不足を感じる方
の場合は特に有効ですが、正直なところMCTオイルに置き換えるだけでは、有意なダイエット効果というのは感じづらいと思います。
と、いうのもただMCTにオイルに置き換えただけでは摂取エネルギーに特に変化がないためです。
そのような食生活に加えて、MCTオイルをエネルギーとして燃焼させるような運動をしなければ結局は身体に溜まってしまいます。
しかし、世間ではMCTオイルの摂取によって-〇kgを達成した!という情報で溢れかえっています。なぜでしょう。
ケトジェニックダイエット+MCTオイルだから
これは恐らく、ケトジェニックダイエット+MCTオイルを行った際のダイエット成果です。
MCTオイルの主な効能の3番目に紹介しましたが、MCTオイルとケトジェニックダイエットの効果はバツグンです。
MCTオイルを用いて、成功者のようにダイエットに成功したい!という方は是非ケトジェニックダイエットに挑戦してみてください。
MCTオイル(ケトジェニックダイエット)の筋トレへの効果は?
ケトジェニックダイエットの最大のデメリットは「無酸素運動でのエネルギー不足」でした。
今回、MCTオイルの記事を読み、「エネルギーになりやすいMCTオイルなら、筋トレのためのエネルギーになるのでは!」と思った方。
残念。。。
MCTオイルもやはり筋トレ(無酸素運動)のためのエネルギー源には成りえません。
筋トレ時には主に
- ATP-PCr系
- 解糖系(嫌気的)
といったエネルギー産生経路でのみエネルギーが作り出されます。
これらの経路では酸素を必要としません。
しかし、MCTオイルを含む全ての脂質類をエネルギーとして利用するためには
- β酸化
- TCA回路
- 電子伝達系
これら3つの経路が機能しなければなりません。
そして、これらを活発にさせるには酸素が必要不可欠なのです。
ちなみに、カルニチンはこれらの経路を活発にすることで体脂肪燃焼をサポートするサプリメントになります。
そうなると、やはりMCTオイルでも筋トレのエネルギー源にはなれないわけです。
よくケトジェニックダイエットを行っていて、筋トレ中にパワーがでないと言われるのはこのためです。
なので、ケトジェニックダイエットをしながら筋トレをする際は「ATP-PCr系」のエネルギー源になるクレアチンを多めに摂取していくようにしましょう。
それでもある程度の筋力などの低下はしてしまうので、そこはダイエットとして割り切るしかないです。
MCTオイルに副作用はある?摂取量について
MCTオイルは元を正すと脂質、つまりマクロ栄養素です。
マクロ栄養素は摂取量の多い栄養素ですので、MCTオイルの過剰摂取などによる副作用というのは考えづらいです。
しかし、食べ過ぎた場合に脂質の過剰摂取によるカロリーオーバー、そして体重の増加というのは十分に考えられるので注意が必要です。
ちなみに、MCTオイルの場合あまり胃もたれもしません。
MCTオイルの摂取量
通常の食生活(ケトジェニックでない)でMCTオイルを取り入れる場合は、いつもお使いになっている食用油(サラダ油、オリーブオイルやラード)の代わりにMCTオイルを使ってください。
1回のフライパンのお料理で大さじ1杯程度が適切です。
ケトジェニックダイエットの場合はこのMCTオイルを適量摂取することで、ケトーシス体質に上手に移行することが出来ます。
ここで推奨する方法は1日の摂取エネルギー量の60%以上を脂質由来のものにし、そのうち半分をMCTオイルで摂取するという方法です。
少し難しいので例を紹介します。
1日の総合摂取エネルギー量の目標を2,000kcalに設定したとしましょう。
そのうち60%(1,200kcal)が脂質由来のものですので、脂質の目標摂取量は1,200/9(脂質1gあたりのエネルギー量)で算出することが出来ます。
つまり、約133gです。
これ半分、約70gがMCTオイルの推奨摂取量になります。(あくまでもケトジェニックダイエットの場合)
MCTオイルの摂り方やタイミング
料理油としてだけでの摂取では70gもの油を摂取することはかなり難しいので、コーヒー、ミルクなどと混ぜて飲んでみたり、サラダにドレッシングとして掛ける方法などがおすすめです。
そもそもMCTオイルを炒め物などに使うことはおすすめできません。
それは、MCTオイルは一般的な油よりも低温で煙が出やすく、泡立ちがしやすいという性質を持っているから。
なので、MTCオイルを揚げ物や炒め物に使うことはほとんどありません。
もし、料理に使うのであればドレッシング代わりに使ったりするのが1番いい方法かと。
個人的には、MTCオイルは無味無臭なので、コーヒーなどの飲み物に入れるのがいいと思いますけどね。
また、目標摂取量を達成するために夕食にて、摂取しきれなかった分を一気に補充するといった方法はおすすめしません。
あまり多く取りすぎると、胃もたれはしないものの下痢を起こしてしまう可能性があるからです。
1日かけて少しづつ摂取していくようにしましょう。
おすすめのMCTオイル3選
最後に人気あるMCTオイル商品を幾つか紹介します。
日清MCTオイル
大手食品メーカーの日清から販売されている非常に信頼度の高い商品です。
100%のMCTオイルで、無味無臭です。
Now sports MCT oil
iHerbなどで購入することができます。
フレーバーが追加されているので、普通のMCTオイルに飽きたという方におすすめです。
ヘーゼルナッツ、チョコレートなどがあります。
ココナッツオイル
100%のMCTオイルほどではありませんが、中鎖脂肪酸を多く含んだ食品ですのでMCTオイルと同じような使い方ができます。
ココナッツのほのかな甘みが香ります。
個人的にはコーヒーに混ぜるのが好きです。
仙台勝山館 MCTオイル
ココナッツ由来100%の中鎖脂肪酸油を使ったMCTオイルです。
品質が良いことで有名です。
まとめ
以上、MCTオイルの解説でした、
日本の健康食品市場で急に流行し始めたMCTオイルですが、正しい機能を理解しないまま間違った使い方をしている方が多いように感じたので今回は紹介させて頂きました。
悪徳ダイエット商法にだまされないようにしましょう!
コメントを残す