筋トレをしていると、
- 全身を満遍なく鍛えるべき
- 筋力バランスが崩れると怪我をする
という話をよく聞きませんか?
筋トレ初心者のうちは、楽しいベンチプレスや身体の変化がすぐに分かる腹筋ばかりを鍛えてしまいがちですよね。
そこで今回は筋力バランスが崩れると、実際に身体にどのような変化が起きるのか、例となる2つの事例、
- アッパークロスシンドローム
- ローワークロスシンドローム
を紹介していきます。
腰痛や肩こりにもおすすめな改善方法も紹介するので参考にしてみてください!
目次
アッパークロスシンドロームとは
上半身の筋力バランスが崩れることによって、姿勢や骨格がずれてしまうことがあります。
今回紹介するアッパークロスシンドロームは以下の画像のように、筋力バランスが崩れた状態のことを指します。
- 胸筋群、僧帽筋上部がこる。(強く緊張する)
- ネックフレクサー、背筋群が緩む。(正しく使えなくなる)
特に胸筋群と背筋群は拮抗筋ですので、下記のように筋力バランスが整っていない場合、肩甲骨の位置がずれてしまいます。
- 肩甲骨を開く胸筋群=肩甲骨を閉じる背筋群
アッパークロスシンドロームでは肩甲骨を開く胸筋群が強く、肩甲骨を閉じる背筋軍が弱いので、肩甲骨は開いた状態になってしまいます。
肩甲骨が開き、僧帽筋上部のコリにより首がすくみます。さらにネックフレクサーが弱まっているために顎が前を向いた姿勢になります。
実際にやってみてください。
画像のような姿勢になりませんか?
そしてこういう人を職場や学校でよく見かけませんか??
これがアッパークロスシンドロームによる姿勢の崩れです。
これにより、実際どのような障害が発生するのか見ていきましょう。
アッパークロスシンドロームによる障害
アッパークロスシンドロームのよる障害は大きく2つです。
肩コリ
人間の頭部は約5kgと言われていて、非常に重たいです。
普段その重さを感じないのは、背骨という軸の真上に付いているからですが、アッパークロスシンドロームにより頭部が前にずれてしまっている場合は、僧帽筋上部や頭板状筋といった首周りの筋肉で頭部を支える必要があります。
四六時中、5kgのものを支えているわけですからもちろん肩や首周りがこってしまいます。
肩の怪我
アッパークロスシンドロームでは肩甲骨が開ききった状態、かつ肩甲骨を閉じるという動作が上手に行えません。
肩は人間の関節の中でも最も可動域の広い関節ですが、それは肩甲骨の動きありきです。
肩甲骨の動きが制限されたアッパークロスシンドロームの状態で、いつも通りに肩を動かそうとすると可動域が制限さるので怪我をしてしまう可能性が高いです。
特に野球の投球動作、スナッチなど、肘を偏り高く上げる際は注意しましょう。
ローワークロスシンドロームとは
続いて、下半身の筋力バランスのズレにより発生する、ローワークロスシンドロームを紹介します。
こちらもアッパークロスシンドローム同様、強くこってしまった筋肉、ゆるく弱ってしまった筋肉を線で結んだ時に十字が描かれることからローワークロスシンドロームと呼ばれます。
- 腸腰筋、脊柱起立筋がこる。(強く緊張する)
- 腹筋群、臀部が緩む。(正しく使えなくなる)
これら4つの筋肉は骨盤の状態を司る筋肉で、強くこってしまっている前者2つの筋肉たちは骨盤を前傾させる働きを持ち、後者2つの筋肉たちは骨盤を後傾させる働きを持ちます。
これらの筋肉が上記のように崩れてしまった場合は骨盤が前傾してしまうのです。
ローワークロスシンドロームによる障害
骨盤が前傾してしまった姿勢は目で見て分かる場合は少ないので、専門のトレーナーによる触診か、FMS(Fundamendal Movement Screeming)を実施するなどで発見することができます。
また、詳しくは後述しますが、スポーツ選手におこりやすいハムストリングスの肉離れなどが多発した時はローワークロスシンドロームを疑いましょう。
腰痛
ローワークロスシンドロームの筋力バランスの崩れにより、骨盤が前傾します。
しかし、胸部そして頭はいつも通り前を向かなければいけないわけですが、そうすると腰椎のあたりがいつもより強く反り返るのが分かるかと思います。
この姿勢で長時間立っていれば、もちろん腰に負担がかかります。
腰がこったからといくらマッサージをしても、この根本の原因であるローワークロスシンドロームを直さなければいつまでたっても同じことの繰り返しとなってしまうのです。
ハムストリングスの肉離れ
スポーツをしている方であれば、一度は聞いた事があるのではないでしょうか。
自分、もしくはチームメイトがハムストリングスの肉離れを起こした、さらにその肉離れがかなりの頻度で再発しているケースはありませんか?
一度のみのハムストリングスの肉離れであれば、ただの過剰な筋疲労として処理できます。
また、十分に回復させずに運動を再開した場合もハムストリングスの肉離れが再発することがあります。
しかし、十分に回復させているつもりでも、ハムストリングスの肉離れを頻繁に再発させてしまう選手がいます。
これは、ローワークロスシンドロームの可能性を疑って見てください。
専門のトレーナーでなければ、ローワークロスシンドロームに原因があることを理解するのは少し難しいため、適切な処置がされず怪我の原因を不十分な休息と安易に判断してしまうこともあります。
そのために、練習の機会が失われたり、最悪の場合練習生命に大きな影響を与えることがあります。
でもなぜ、ローワークロスシンドロームでハムストリングスがもろくなるのか。
筋肉というのはゴムと同じ性質で、伸ばされ続けると張力(筋力)が弱くなってきます。
ローワークロスシンドロームでは骨盤が前傾したせいで、骨盤の後方に癒着しているハムストリングスがいつもより伸ばされた状態で保持され続けるのです。
つまり、ゴムと同じで伸ばされ続けたハムストリングスは筋力を失い、強く力を入れた時に肉離れを起こしてしまうのです。
アッパークロスシンドロームは見た目でわかりやすいですが、ローワークロスシンドロームは少し難しいです。
自分がもしかしたらこれらの状態にあるかも。と思った場合は速やかに処置をしましょう。
処置といっても難しいことは何もなく、崩れてしまった筋力バランスをもとに戻してあげるだけです。
それぞれ簡単に紹介しますので参考にしてみてください。
アッパークロスシンドロームの改善方法
今回は2つの方法でアッパークロスシンドロームの改善を狙います。
- こってしまった胸筋群の解放(リラックス)
- 緩んでしまった背筋群の強化
こってしまった胸筋群の解放(リラックス)
主に、ストレッチ、マッサージで胸筋群を解放(リリース)していきます。
動画で紹介されているストレッチはとても簡単でアッパークロスシンドロームに効果的なストレッチです。
30秒を1セットとして、お風呂上がりや運動後などの体が温まっている時に3セットほど行ないましょう。
続いてボールを使った一人で出来るマッサージです。
使うボールは野球、テニスなどでも構いませんが、一番オススメなのはラクロスボールです。
壁に押し付けるようにしてマッサージします。腕の動作も加えるといいですね!
緩んでしまった背筋群の強化
普段筋トレをされている方であれば、いつもの背中のトレーニングを見直してみましょう。
おそらく、腕だけでぷるしていることが多いので、肩甲骨を閉じる運動をしっかりと意識しましょう。
動画では肩甲骨の動きを改善させるためのエクササイズを紹介しています。
どのトレーニングもアッパークロスシンドロームをかいぜんするのにさいてきですので実践してみてください。
ローワークロスシンドロームの改善方法
続いて、ローワークロスシンドロームの改善です。
こちらもアッパークロスシンドロームと同じように2つのアプローチ方法を紹介します。
- こってしまった腸腰筋の解放(リラックス)
- 緩んでしまった臀部の強化
これら2つについて完璧に解説している動画がありましたので紹介します。
こってしまったヒップフレクサーの解放(リラックス)
動画で紹介している始め2つのエクササイズです。
まず一つ目はストレッチポールを使った腸腰筋のマッサージ。
ストレッチポールがなければボールでも代用可能ですが、少し難しいです。
適切な範囲をしっかりとマッサージしましょう。
次に紹介されているのが腸腰筋のストレッチです。
通常のフロントランジの様なストレッチに追加して、側面に身体を倒すことでさらに強く筋肉を伸ばすことができます。
緩んでしまった臀部の強化
最後の2つで紹介されているエクササイズです。
まず一つ目はヒップリフト。
仰向けで膝と立てた姿勢から踵で地面を押し、お尻を持ち上げるエクササイズです。
臀部の筋肉に刺激を与えることができます。
続いて、壁と向き合って行なうスクワットです。
目の前に壁があることで、膝が前に動くのを制限します。
これにより、しっかりと臀部を使ったスクワットを行うことが可能です。
ローワークロスシンドロームが発生してしまう方は上手に臀部の筋肉が使えていないので、このようなフォームを矯正するエクササイズはとても効果的です。
まとめ
以上、アッパー・ローワークロスシンドロームの改善方法でした。
どれも自宅で簡単に行なうことができるエクササイズですので、スキマ時間で構いませんので丁寧に行うようにしてください。
長年悩まされてきた腰痛や肩コリがきっと治るはずです。
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