ジャーマンボリュームトレーニング法(GVT)のメリット・デメリット

ジャーマンボリュームトレーニング法(GVT)のメリット・デメリット

このサイトでは過去にも様々なトレーニング方法を紹介してきました。

ドロップセット、スーパーセット、トライセット、などなど。。

今回紹介するトレーニング方法はかなり高強度テクニックである「ジャーマンボリュームトレーニング法」です。

聞いたことはあるでしょうか?

これは、過去に紹介したトレーニングのどの種類とも非常に異なった、特殊なトレーニング方法になります。

必ず取り入れる必要はありませんが、ちょっと違う刺激がほしいという人は参考にしてみてください。

ジャーマンボリュームトレーニング法とは

ジャーマンボリュームトレーニング法とは、ドイツで生まれたトレーニング方法で、GVT法とも呼ばれ「10レップス×10セット」のハイボリュームトレーニングです。

なんだ、ただのハイボリュームトレーニングか、と思われた方。

ジャーマンボリュームトレーニング法は”ただの”ハイボリュームトレーニングではありません。

以下、ジャーマンボリュームトレーニング法のルールです。

ジャーマンボリュームトレーニング法のルール

  • 10レップス×10セット(状況によっては変化させることは可能だが、レップ数をトレーニング内で変化させることは不可。)
  • 10セット通して同じ重量を扱う。(1RMの60%程度)
  • 同じフォームで行なう。
  • 同じ間隔のインターバルを取る。

トレーニングを通じて、フォーム、重量、インターバルなどを全て”同じ”に保つ必要があり、これがジャーマンボリュームトレーニング法の特徴です。

これらを制限することにより、同一のモーターユニット(詳しくは後述します)を刺激し続け、筋肥大を促すというのがこのジャーマンボリュームトレーニング法です。

ジャーマンボリュームトレーニング法のメリット

では、そんなジャーマンボリュームトレーニング法ですが、取り入れることでこのようなメリットが生まれます。

  • 筋肥大を促す
  • 新しい刺激を入れることができる
  • 高重量ではないため安全

それぞれ解説していきます。

筋肥大を促す

ジャーマンボリュームトレーニングでは、とにかく狙った筋肉がメタメタに破壊されます。

また、ハイボリュームトレーニングの一種であるために、パンプアップによるホルモン分泌効果も期待でき、筋破壊ホルモン分泌の2つの相乗効果により筋肥大を促すことが出来ます。

新しい刺激を入れることができる

恐らく、この記事を読んで下さっている読者の皆さんのなかでも「ジャーマンボリュームトレーニング法を実践したことあるよ!」というかたはあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?

トレーニングルーティンは同じものを続けていると、その刺激に身体が対応してしまい、筋肥大が起きづらくなってしまいます。

それを防ぐためにも常に新しいトレーニングを取り入れていくことは非常に大切ですので、このジャーマンボリュームトレーニング法はきっと刺激的なものにしてくれるはずです。

高重量ではないため安全

ジャーマンボリュームトレーニング法で扱う重量は1RMの60%です。

つまり、100kgを一発挙げられる方は60kgでトレーニングを行います。

1セット目はかなり軽く感じるはずですので、フォームをコントロールしながら丁寧にトレーニングを行なうことが可能です。

もちろん、怪我の危険性も低くなります。

ジャーマンボリュームトレーニング法のデメリットと注意点

上記のようなメリットがある反面

  • 時間がかかる
  • 共同ジムの場合は迷惑になる場合がある

このようなデメリットと注意点があります。

時間がかかる

ジャーマンボリュームトレーニング法を用いた場合、1種目を終了させるのに20分近くの時間を要します。

トレーニング時間のあまり取れない方にはおすすめできません。

共同ジムの場合は迷惑になる場合がある

上記と同じ理由で1つのトレーニング器具を20分ほど独占しなければならない場合があります。

必ず周りに配慮しながら、1セットずつ交代しながら行なうなど、工夫して他のトレーニーに迷惑にならないように行いましょう。

ジャーマンボリュームトレーニング法の筋肥大や筋力への影響

ジャーマンボリュームトレーニング法は主に

  • 筋肥大
  • 筋持久力

に対して効果を発揮します。

上記で少し紹介した「同一モーターユニットを刺激する」ことについてちょっと詳しく解説しますね。

同一モーターユニットを刺激する

筋肉というのは幾つもの筋線維がかたまり筋束に、筋束がまたいくつも束になり筋肉となります。

本来はもっと多いのですが、ここではわかりやすくするための仮定として、10本の筋線維で筋肉が構成されているとしましょう。

各筋線維が5kgのウエイトを持ち上げることの出来るポテンシャルを持っていた場合、合計で5×10=50kgのウエイトを持ち上げることが出来ます。

この筋肉で25kg(1RMの50%)のウエイトを持ち上げようとするとどうなるでしょうか。

それぞれの筋線維が出来る運動は5kgを持ち上げるか、持ち上げないかの2種類です。

つまり、全ての筋線維が半分の力を出して25kgを持ち上げるのではなく、半分の筋線維が100%の力を出し切り25kgを持ち上げます

この時、残りの筋繊維は休んでいます。

  • 25kgを持ち上げる際の筋繊維のをグループA
  • 休んでいる筋繊維をグループB

とした場合、グループAとグループBの割合は1:1になります。

ジャーマンボリュームトレーニング法では常に同じフォーム、同じ重量でトレーニングを行なうため、10セット通してグループAの筋繊維が使われ続けます

仮に、フォームを崩ししてしまった(反動を使い、関節の可動する角度がずれてしまった)、もしくは使用重量を変化させてしまった場合、グループAのうちいくつかの筋線維が休み、グループBのうちいくつかの筋線維が稼働するようになってしまいます。

こうなってしまうと、疲労が10本の筋線維全てに分散してしまうので、筋破壊が十分に行われなくなってしまうのです。

少しややこしくなってしまいましたが、ジャーマンボリュームトレーニングでは、特定の筋繊維のみを鍛え続けることで効率よく筋破壊を起こすというトレーニングなのです。

もちろん、ハイボリュームなトレーニングですので筋持久力の向上にも期待できます。

ジャーマンボリュームトレーニング法のメニュー

1日のトレーニングで、ジャーマンボリュームトレーニング法を取り入れるのは1回が適切です。(やりすぎてしまうと時間がかかります。)

例えば、胸の日であればメイン種目のベンチプレスにジャーマンボリュームトレーニング法を取り入れてみましょう。

10レップスを10セット、インターバルは60~90秒で使用重量は1RMの60%から始めてみましょう。

まだ慣れていないうちは、10レップス10セットを完遂できないかもしれません。

しかし、6,7セット目の疲労感から、もうダメだ、と思っても決して重量を変化させないでください。

また、反動を使って挙げることや、補助してもらうのもいけません。

挙がりきりそうにない場合は、インターバルを増やすか、可能なレップ数で10セットを完遂するようにしてください。

6,7セットで疲労がピークであっても8セット目には疲労が途端に抜け、ウエイトが軽く感じるようになるのもこのトレーニングの特徴です。

だめだと思っても、決して諦めず最後までやりきりましょう。

レップ数やセット数を変化させる方法

このジャーマンボリュームトレーニング法は、同じことを繰り返すというのが特徴的なトレーニングですので、3~4週間に渡りこのトレーニングを続けた場合すぐにプラトー(身体に筋肉痛や筋肥大などの変化が起きなくなる現象)に突入してしまうかもしれません。

そんな時はレップ数やセット数を変化させる方法がよく用いれれます。

  • 1週目は10×10
  • 2週目は7×8
  • 3週目は5×6
  • 4週目は10×3 (左からレップ数×セット数)

4週が終了したら、今度は少し重量を増やしてまた1週目から挑戦してみましょう。

まとめ

以上、ジャーマンボリュームトレーニング法でした。

このトレーニングはフォームが安定させやすいベンチプレス、もしくはアームカールといった単関節運動で上手に活用することができるのでおすすめです。

ちょっと停滞気味の人は試してみてください。かなり刺激的ですよ!

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