以前の記事では、拮抗筋をターゲットとした2種類の種目を連続して行なうスーパーセットを紹介しました。
こちらの記事「スーパーセットのメリット・デメリット。筋トレへの効果と主なやり方。」
この様に通常のトレーニングもセットを工夫することで、さらに効果的なトレーニングになります。
今回紹介するコンパウンドセットはスーパーセット同様2種目を連続して行なう種目ですが、スーパーセットとは少し違います。
コンパウンドセットとは一体どういうものなのか、具体的なトレーニングプランなどをこの記事では紹介していきます!
目次
コンパウンドセットの特徴は?同じ部位を2種目以上の種目を連続で行う方法
コンパウンド(Compound)は、「複合させる」という意味を持つことからも分かるように、2種目のトレーニングを1セットとしてインターバルを挟まずに連続して行う方法です。
スーパーセットも2種目連続して行なうセット方法でしたが、スーパーセットとコンパウンドセットの違いはターゲットとする筋肉の違いです。
スーパーセットでは、1種目目で上腕二頭筋をターゲットとした場合、2種目目は上腕三頭筋をターゲットとするように、拮抗筋(逆の働きを持つ筋肉)を連続してトレーニングします。
コンパウンドセットでは同じ筋肉をターゲットとするために、1種目目で上腕二頭筋をトレーニングしたら、2種目目でも上腕二頭筋をトレーニングします。
この様に連続して同じ筋肉を鍛えることで、その筋肉のサイズ、密度、筋力などを強化することが出来ます。
コンパウンドセットのメリット
基本的にはスーパーセットと同じハイボリューム系のセット方法ですので、メリットとしても同じようなことが期待できますが、同じ筋肉を連続して鍛えるということで少し違いが出てきます。
短時間でトレーニング出来る
連続して同じ部位を鍛えることで、その部位に関しては素早くパンプアップ、筋破壊させることが可能です。
とにかくパンプアップがすごい
スーパーセットでは連続してトレーニングするものの、違う部位をトレーニングします。
それに対してコンパウンドセットでは、連続して同じ部位をトレーニングするために、とにかくその部位が強烈にパンプアップします。
これによるホルモン分泌も期待できます。
立体感のある筋肉をつくる
様々な種目で筋肉を鍛えることにより、立体感のある筋肉をつくります。
例えば、上腕二頭筋は二頭筋という名前からも分かるように2本の筋頭(長頭、短頭)から構成されますが、
様々な種目を行なうことで長頭、短頭どちらとも満遍なく鍛えることが出来、立体感のある筋肉を作ることが出来ます。
コンパウンドセットのデメリット
メリットがある反面、コンパウンドセットにもデメリットがあります。
高重量が扱えない
連続して同じ部位を使うために、筋肉が疲労してしまい高重量を使ったトレーニングというのが難しくなります。
そのために、筋破壊を起こすという点においてはスーパーセットに劣ります。
怪我のリスクが高い
とにかく時間のないトレーニーが種目を連続させすぎて、肉離れや筋断裂させてしまうというケースが多々あります。
始めてコンパウンドセットを取り入れるのであれば、トレーニング終盤に1、2種目といった所が適切です。
コンパウンドセットと筋肥大の関係
コンパウンドセットにより筋肥大する仕組みはスーパーセットと非常に似ています。
この様にトレーニングを連続して行なうハイボリューム系のセット方法には共通して言えることですが、とにかく筋肉がパンプアップし筋合成に関わる様々なホルモンが分泌されることがポイントとなります。
しかし、スーパーセットに比べてコンパウンドセットでは筋肉が極端に疲労することで挙上重量や回数がかなり低下します。
これでは、筋破壊があまり起こらないので、コンパウンドセットの前にはなるべく高重量をつかって筋破壊をさせることが重要になってきます。
なので、
トレーニング終盤では、コンパウンドセットやスーパーセットといったハイボリューム系セットでホルモン分泌を促し、トレーニングの仕上げ。
これが基本的なトレーニングメニューの組み方となります。
コンパウンドセットのやり方
実際にどのようにメニューに取り入れるのか、具体的な方法を紹介してきます。
大胸筋を鍛える場合
ベンチプレス×マシンフライ
基本的な組み方です。
ベンチプレスで高重量を使った後に、フライでしっかりとスクイーズ(収縮)させましょう。
また、ベンチプレスで上手に大胸筋に効かせられない方は逆にするのもおすすめです。
マシンフライで予め大胸筋を適度に疲労させた後にベンチプレスを行なう、と普段よりも上手に大胸筋をトレーニング出来るはずです。
マシンがない場合は、ダンベルを使ったダンベルフライなどでも問題ありません。
ベンチプレス×プッシュアップ
特にスポーツ選手に取り入れて頂きたいセットです。
ベンチプレスはOKC種目ですので、これに合わせてCKC種目であるプッシュアップを行なうことでプッシュ動作を更に強化することが出来ます。
背筋群を鍛える場合
トップサイドデッドリフト×ベントオーバーロウ
主に中背部を狙った、背中の厚みを強化するためのトレーニングです。
どちらの種目でも肩甲骨からしっかりと引き上げることを意識しましょう。
チンニング×ラットプルダウン
上背部、背中の広がりを強化するためのセットです。
チンニングではバーを広く握り、胸にバーを引きつけるようにするのがポイント。
ラットプルダウンでは重量を軽めに設定し、広背筋が強く収縮するのを感じられるように肘で引くイメージをしてやるのがおすすめです。
上腕部を鍛える場合
ダンベルカール×オルタネイトダンベルカール
非常に酷似している2種目なので、コンパウンドセットという名前が適切かどうかは分かりませんが、効果的なセットです。
両手を同時に行なうダンベルカールを上がらなくなるまで行なったら、今度は片腕づつ行います。
これにより、最後まで力を出し切る事ができます。
ライイングエクステンション×ナロウグリップベンチプレス
個人的に好きなセットです。
先程同様、ライイングエクステンションを上がらなくなるまで行います。
その後は特に重量やバーを持ち帰ることなくそのままプレスを行います。
プレスのほうが重量を扱えるために、ライイングエクステンションでは上がらなくともプレスならまだ何回か挙げることができ、最後まで上腕三頭筋を追い込むことが出来ます。
下半身を鍛える場合
スタンディングカーフレイズ×シーテッドカーフレイズ
ふくらはぎを狙った2種目です。
シーテッドカーフレイズではつま先を外側に向けたり、内側に向けたりすることで立体感のあるふくらはぎを作ることが出来ます。
コンパウンドセットのセット数
セット数もスーパーセット同様3セット程度が適切です。
あまり多くやりすぎてしまうとエネルギーを沢山消費してしまうために、筋肥大を狙うのであれば大量の食事を摂取しなければならなくなります。
種目数も多くて2、3種目、それもトレーニングの最後に取り入れるようにしましょう。
コンパウンドセットの注意点
同じ部位を連続してトレーニングするコンパウンドセットは本当にハードなトレーニングですので、怪我を避けるためにも自分の体調と相談しながら行なうようにしましょう。
また、今回は下半身のトレーニングをあまり紹介しませんでした。
というのも、高重量を扱う下半身のトレーニングでコンパウンドセットのようなハードなセットを組んでしまうと、疲労によりフォームが崩れて怪我をしてしまう恐れがあるからです。
コンパウンドセットでは、とにかく怪我に気をつけて行なってください。
また、複数の器具を使う際には他の利用者と上手く共有するような形をとり、周りの迷惑にならないようにしましょう。(共用のジムの場合)
まとめ
コンパウンドセットはとにかくハードなセット方法ですが、正しく取り入れることであなたの今のトレーニングメニューをもう一段階レベルアップさせてくれます。
是非、お試しください!
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