フォースドレップ法の具体的なやり方と注意点!メリット・デメリットは?

当サイトでは過去に様々なトレーニング方法(セットの組み方)を紹介してきました。

ドロップセット、コンパウンドセット、スーパーセット、などなど。

この様にセットを工夫する理由の多くは、なるべく効率よく筋肉を刺激するためです。

いつも同じ重量、方法ばかりでは筋肉が刺激に慣れてしまい成長が遅くなってしまうので、様々な方法を用いて、より刺激的なトレーニングを行なう必要があります。

今回紹介するトレーニング方法は、セットの組み方などは特に工夫をしませんが、パートナーに補助をしてもらうことで、自分の力を最後まで出し切る、というトレーニング方法です

名をフォースド・レップ法と言います。

パートナーがいないと行うことはできませんが、かなり追い込むことができるトレーニング方法なので、パートナーがいる人はちょっと試してみてください。

フォースドレップとはパートナーを活用したトレーニング方法

先程も簡単に紹介しましたが、フォースドレップとはパートナーに補助に入ってもらうことで、自分の力を最後まで出し切るトレーニング方法です。

例えば、ベンチプレスを80kgで行なっている場合、レップを重ねるごとに疲労が溜まっていきますよね。

8レップ目を挙上した時点で疲労がピークに達し、9レップ目が挙がらないだろうとあなたが判断した場合はおそらくそこでバーをラックに戻してしまいます。

もしくは、9レップ目に挑戦するも挙上することが出来ず、セーフティにバーを下ろして終わるかもしれません。

この9レップ目ですが、80kgではなく70kgだったらもしかしたら上がっていたかもしれません。

最後までやりきったつもりでも、まだ70kgを1レップ挙上するだけの余力というのは残っているかもしれないのです。

この場合に残りの10kg分をパートナーに補助してもらい挙上していくことで、そのセットにおける余力を全く残さず鍛え上げる「オールアウト」を実現することが出来るわけです。

フォースド・レップ法を実践したその1セットのみでも、全力を出し切ることで筋肉に強烈な疲労感が残ります。

フォースドレップを取り入れる3つのメリット

そんなフォースド・レップ法ですが、他にも

  • 怪我の可能性が低い
  • 筋肥大に効果的
  • モチベーション管理

このようなメリットがあります。

怪我の可能性が低い

最後の1レップをギリギリで挙上する際、無理な力の出し方(フォームが崩れるなど)をしてしまうことで、怪我をしてしまうことが多くあります。

しかし、このフォースドレップではパートナーがサポートしてくれるために、最後まで適切なフォームで筋発揮することが出来ます。

その為、フォームが崩れることによる関節の怪我などを防ぐことが出来、またフォームを学習中の初心者トレーニーにもおすすめのトレーニング方法です。

筋肥大に効果的

最後の最後まで力を振り絞ることで、筋破壊、パンプアップが強烈に起こります。

これら2つは筋肥大に絶対に欠かすことが出来ない要素です。

しかし、フォースドレップは特にハードなトレーニングですので、栄養摂取を制限している減量期では肉離れなどの怪我をしてしまう可能性があるので注意して下さい。

モチベーション管理

一人で筋トレをしている場合、モチベーションのコントロールが難しく感じることはありませんか?

重たい重量を何度も持ち上げるきつい筋トレを最後までやりきるだけで一苦労です。

パートナーとお互いに励ましあってトレーニングすることで最後まで頑張れるというものです。

ぜひ、良いパートナーを見つけ補助し合いながらトレーニングしましょう。

フォースドレップのデメリットと注意点

様々なメリットがあるフォースドレップですが、

  • 筋損傷の危険性
  • 補助に頼ってしまうことにより筋出力の低下
  • 補助が難しい

などの注意点やデメリットがあります。

筋損傷の危険性

先程、フォースドレップはフォームが崩れることを防ぎ、関節の怪我を防ぐことができることを紹介しました。

しかし、筋肉に強い負荷がかかることは間違いなく、それによる筋肉の怪我の可能性は否めません。

先程も述べたように、食事を制限している減量期などでは特に注意が必要です。

補助に頼ってしまうことにより筋出力の低下

フォースドレップのよくある間違いとして、ウエイトの挙上を補助に頼りがちになってしまう例が挙げられます。

重量を補助と共に挙げることだけで満足し、自身の力を発揮することを忘れてしまうパターンです。

こうなってしまった場合、筋肥大はするものの筋力がなかなか向上しないなどの問題が発生します。

これを防ぐためにも、補助を使ったウエイトの挙上は最大でも3レップにとどめましょう。

また、補助者もなるべく本人の筋力を尊重するように必要最低限の補助に抑える必要があり、テクニックを要求されます。

補助が難しい

間違った補助の仕方をしてしまうと、相手のトレーニングを邪魔してしまったり、怪我をさせてしまう可能性などもあります。

決して”ただ助ければいい”だけではありません。

以下でフォースドレップのやり方を紹介するので、是非参考にしてみてください。

フォースドレップの正しいやり方(各種目毎の補助の仕方)

フォースドレップの補助は決して挙上をただサポートするだけではありません。

きちんとしたテクニックが要求され、間違った補助をしてしまうと上手にトレーニングが出来ないだけでなく、相手を怪我させてしまう事がありますので十分に注意してください。

ベンチプレス

まずは基本のベンチプレスです。

セットする位置は、トレーニー(相手)に触れない範囲で可能な限りバーに近づきます。

ショーツの裾などが相手の顔付近にひらひら揺れていると邪魔になってしまうので注意してください。

全ての種目に共通して言えることですが、補助に入るのはポジティブ動作(挙上中)のみです。

ネガティブ動作はしっかりと相手にコントロールしてもらうようにしましょう。

相手のバーベルの挙上スピードなどを見ながら、どのタイミングで補助に入るかを見極めます。

相手が自力の挙上レップなどを測定しているようならば、早めに補助に入ってしまうと記録更新を邪魔してしまうことがあるので、予めどのタイミングで補助に入るべきなのかは相手と相談しておくようにしましょう。

しかし、あまり相手に踏ん張らせてしまうと、フォームを崩して怪我をしてしまう場合があるので、挙上スピードが落ちてきてフォームが崩れる直前で補助に入ることをおすすめします。

ベンチプレスの補助のやり方

では、補助の仕方です。

補助者の手がバーにべったり触ってしまうと、挙上方向をずらしてしまいます。

バーへの接地面はなるべく少なく、下から上方向のみにサポートするようにしましょう。

バーを握ってしまうことなど、もってのほかです。

指の腹で優しく包み込むようにサポートしましょう。

ベンチプレスにはスティッキングポイントと呼ばれる「バーベルが最も重く感じられる場所」が存在します。

そのスティッキングポイントのみで補助を行い、他は可能な限りトレーニー本人の力で挙上させるようにしましょう。

バーを握らないといけないほどガッツリ補助に入らなければ行かない場合は、もう既にオールアウトが完了していますので、トレーニングを終了しても問題はありません。

スクワット

スクワットの補助は非常に難しいので、しっかりと事前に練習を積んでから行なうようにしましょう。

まずセット位置ですが、トレーニーに触れない範囲で可能な限りトレーニーに近づきましょう

ラックアップから、ウォーク、スタートポジションにセットするまでもどんなアクシデントがあるか分かりませんので、黒子のように一緒に動きを合わせて真後ろに付くようにします。

レップ中も基本的には常にバーの下に潜り込むように、トレーニーと合わせてスクワットします。

挙上スピードなどを見ながら補助に入るタイミングを見極めましょう。

ベンチプレスよりも高重量を扱うため早めに入ることをおすすめします。

スクワットの補助のやり方

スクワットもベンチプレス同様、スティッキングポイントのみで補助を加えるようにしますが、高重量なためベンチプレス以上に分厚く補助をする必要があります。

両腕を常にトレーニーの脇の下にポジションさせ、いつでも補助出来るような姿勢を維持し、補助のタイミングで脇を持ち上げるように補助します。

この際に手の平で脇に触れてしまうと不快ですので、手首、もしくは前腕などで持ち上げるようにします。

あまりにも高重量な場合は、補助者を後ろ、左右の3箇所に置くようにしましょう。

それが出来ない場合は必ずセーフティバーを設けるようにしてください。

一人で高重量を補助する際はトレーニーが潰れてしまう直前に自分の両腿でトレーニーのお尻をサポートするようにすると、高重量でも一人でサポートすることができますが、熟練の業が必要とされます。

ダンベルプレス

ダンベルを使ったプレスでは、ベンチプレスのようにバーの中央部分を引き上げる方法ではサポートできません。

2種類の方法があるので紹介します。

肘をサポート

プッシュする際の肘を下から真上にサポートします。

この方法ではトレーニーのダンベルの挙上方向を邪魔する可能性が低いので、浅い補助に向いています。

しかし、高重量を扱っている場合はダンベルのバランスを崩して落としてしまう危険性があるので、しっかりと補助して欲しい場合には向きません。

ダンベルをサポート

分厚く補助して欲しい場合にはダンベルのグリップを一緒に握る方法もあります。

直接手に触れてしまうので、邪魔と感じる人もいるかもしれませんが、ダンベルを補助者がコントロール出来るためにダンベル落下事故などを防ぐことが出来ます。

カール系

アームカール、トライセップスエクステンションなどの単関節運動もフォースドレップを用いるのに適しています。

プレス系やスクワットでは、下から上方向にのみ補助しましたが、カール系トレーニングではウエイトが弧を描くように動きますので、それに合わせて補助する必要があります。

よく見る間違いとして、下から上方向だけしかサポートせず、コンセントレーションポジションで筋肉に効かすことができなくなってしまっているものがあります。

高重量を扱わない分、安全ですので相手にしっかりいじめてあげましょう。

フォースドレップのセット数

フォースドレップは1セットだけでも十分に筋破壊を起こすことができるほどのポテンシャルを秘めたトレーニング方法です。

やりすぎてしまうとオーバートレーニングになってしまうので行なうセット数をしっかりと管理しましょう。

ここで推奨するフォースドレップのセット数は各種目最大で2セットまでです。

4セット行なう種目であれば最初の2セットを自力で行い、最後の2セットをフォースドレップを使います。

これにより、種目終了時にしっかりと全力を出し切った状態「オールアウト」になることが出来ます。

フォースドレップは最大2セット、補助は3レップまで。

これをしっかりと守って自力でもしっかりウエイトを挙上できるよう、筋力も強化していきましょう。

まとめ

フォースドレップのための補助は決してただの手伝いではありません。

しっかりと技術を身に着け、安全なトレーニングライフを送ってください。

最後にパワーリフティングの競技会での補助の失敗例のビデオを紹介します。

一人の力不足な補助者のせいで、選手生命を失ってしまう選手もいます。

それだけ大切な仕事ですので、決して生半可な気持ちで行わないように心がけてください。

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