皆さんはヘルニアで悩んだことはありますか?
重たい重量を扱う筋トレは間違ったやり方をしてしまうとヘルニアのように腰を痛めてしまうことがありますよね。
同時にヘルニアを予防、再発防止をするためにも筋トレはとても大切ですので、筋トレとヘルニアはとても関係が深いです。
そこでこの記事はそんなヘルニア予防、リハビリのための筋トレ、ヘルニア再発に危険な筋トレメニューなどについて解説していきます。
現在ヘルニアの方から、少し腰がいたいという人は参考にしてみてください。
目次
ヘルニアの原因の前にまずは背骨の構造を知る
人間の身体は骨盤、そして背骨を基礎に作られています。
ここから、大腿骨が生え、胸郭が作られ、てっぺんには頭が付きますので、船で例えると竜骨にあたる部分です。
背骨は一本の骨ではなく、24個もの小さな骨片である椎骨が繋がって作られるためにムチのようなしなやかな動きを再現することが出来ます。
椎骨の間には衝撃を吸収するようなクッションがあり、椎間板と呼ばれます。
また、背骨は骨格の基礎となるだけでなく、背骨の中を通る大きな神経を保護する役割を持っています。
基本的にこのような構造を覚える必要なないですが、解剖学などを覚えておくと筋トレのときにも役に立ちます。
あの鈴木雅選手などはやはり解剖学を勉強して、それを筋トレに取り入れているみたいですよ。
もし、興味が少しでもあるなら1冊くらいはこのような筋肉や骨の解剖学の本を持っていてもいいと思いますよ。
まー、ボクももっているんですけど、中々すべてを理解するまでは難しいですけどね。
ヘルニアとは神経を圧迫する症状のこと
ヘルニアとは日本語に訳すと「脱腸」。身体の組織が本来の位置から飛び出した状態のことを指します。
一般的に知られているヘルニア、椎間板ヘルニアは椎間板(椎骨の間のクッション)に強い圧力がかかり潰れて飛び出し、それが背骨を通る神経を圧迫する症状のことを指します。
ヘルニアは基本的に腰椎の部分で起こることが多く、腰痛の原因となることがほとんどです。
というのも腰椎よりも高い位置にある胸椎は、肋骨などの組織に保護されているほか、可動することが少なく負担がかからないのです。
それに対して、腰椎を保護する組織は極端に少なく、間違った運動した場合には腰椎に大きな負荷を与えてしまうのです。
このような腰椎に対する過剰な負荷が椎間板をつぶしてしまい、潰されて飛び出した椎間板が神経を圧迫してしまうわけです。
これらの神経は、脳からの指令を筋肉に伝えたり、逆に筋肉の感覚をを脳に伝えたえたりすることが主な働きですが働きですが、潰れた椎間板により圧迫されてしまうとこれらの機能に支障をきたす他、ビリビリとしびれる神経痛などの原因となります。
主なヘルニアの種類は?実は発症する場所によって異なる
ヘルニアが発生する場所によって種類が分類されます。
腰椎ヘルニアは腰で発生する
腰椎の椎間板が潰れた場合に起こるヘルニアです。一般的には椎間板ヘルニアと呼ばれます。
腰椎は5つの椎骨から構成され、一番上にあるものから順に、L1、L2、L3、L4、L5と名前がつけられています。
どこの椎間板が潰れるかにより、圧迫する神経が異なるためしびれなどの症状がでる位置が異なります。
- L1:大腿部内側
- L2:大腿部前面内側
- L3:大腿部前面外側
- L4:下腿部内側
- L5:腓腹部
頚椎ヘルニアは首で発生する
頚椎、つまり首で発生するヘルニアです。
背骨は
- 頚椎(首)
- 胸椎
- 腰椎
の3つのパートから構成されていますが、先程も書いたように胸椎でヘルニアが発生することはほとんどないので椎間板ヘルニアは腰椎、そして頚椎で発生します。
腰椎ヘルニアでは下半身に神経麻痺が起こりますが、頚椎ヘルニアでは上半身、つまり腕で神経麻痺がおこることが特徴です。
上記で紹介した2つのヘルニアはどちらも椎間板が飛び出して神経を圧迫する椎間板ヘルニアです。
一般的なヘルニア(椎間板ヘルニア)とは異なりますが、
- 脳で腫瘍が発生することによって起こる「脳ヘルニア」
- 胃が横隔膜の向こう側へ飛び出してしまう「食道裂孔ヘルニア」
- でべそである「臍ヘルニア」
などもありますが、今回のテーマからは少し逸れるために詳しいことは割愛します。
ヘルニアになってしまう主な原因
ヘルニアの1番の原因は椎間板が潰されて飛び出し、神経を圧迫してしまうことですが、そもそもなぜ椎間板が潰れてしまうのでしょうか。
上記でも簡単に触れましたが、椎間板が潰れてしまう原因は背骨への過度な負荷になります。
負荷というのは重量もそうですが、適切な可動範囲を越えての運動も背骨への負荷です。
背筋の筋トレとして、寝そべって仰向けに反り返るような運動をしていませんか?
まさに、あれが背骨の適切な可動範囲を超える運動で、椎間板を潰してしまう原因となります。
また、デッドリフトなどの高重量を扱う際に背骨の正しいポジションが保てず、腰が砕けてしまったような状態も背骨、椎間板に負担をかけてしまいます。
このように、間違った体幹部の運動、そして適切でない姿勢で重量がかかるようなことを繰り返した場合に椎間板ヘルニアが起こってしまうのです。
筋トレで腰を痛めてしまう原因などはコチラの記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
筋トレでヘルニア予防はできる?
筋トレで体幹部を適切に鍛えておくことは、ヘルニアの予防に大きく貢献します。
そもそも、腰椎というのは上半身と下半身をつなぐ唯一の骨で、体幹部の動きというのは全てこの腰椎のみで行われています。
なので、もちろん体幹部の運動の負担は全て腰椎にかかってしまうということです。
この腰椎を保護するためにあるのが、腰回りの筋肉つまり「体幹」です。
インナーマッスルなんて呼ばれ方もされますが、この体幹をしっかりと鍛えておくことで腰椎への負担を減らすことができるのです。
詳しい体幹トレーニングについては後述します。
筋トレでヘルニア再発防止することができる!
もちろん、ヘルニアを治療した後に体幹部の筋トレを行なうことでヘルニアの再発予防をすることが可能です。
しかし、注意点が一つあります。それは
タイミングをしっかりと見極めること。
まだ完治していないのに、筋トレを始めてしまうと再発予防のつもりがヘルニア再発の原因となりかねません。
- ヘルニアがよくなりかけている時
- 筋トレをすると少ししびれや痛みがある時
このような状態で筋トレを開始することはおすすめしません。
基本的に筋トレをしてヘルニアが回復することはありません。
できるのはあくまでも予防の範囲です。
しっかりと完治してから、再発防止として筋トレを始めてください。
ヘルニアの原因になる危ない筋トレメニュー
ヘルニアの原因となりかねない筋トレメニューがいくつかあります。
これらは
- ヘルニアの原因となり、さらに効果もさほど期待できないのでやるべきではない筋トレ
- 間違ったフォームでおこなうとヘルニアの原因となるが、効果が期待できる筋トレなので注意して行なうべきもの
の2種類に分類することが出来ます。
やるべきではない筋トレ
やるべきではない筋トレとしては
- 背筋(バックエクステンション)
- 腹筋(シットアップ)
- バランスボールに寝そべるストレッチ
この3つです。
背筋(バックエクステンション)
身体をそりあげる筋トレ、いわゆる背筋を鍛える種目のバックエクステンションです。
腰椎が適切でない可動範囲で動くために、ヘルニアの原因となる可能性があります。
筋トレとしても優れた種目ではないので、やらないに越したことはありません。
腹筋(シットアップ)
仰向けの状態から上半身を起き上げる筋トレ、いわゆる腹筋のシットアップです。
上半身の重さが腰椎に負担をかけ、さらにその状態で腰椎が可動するという悪魔の筋トレです。
腹筋を鍛えるのであれば、ほかにも適切な筋トレがありますのでそちらを採用してください。(後述しています)
バランスボールに寝そべるストレッチ
ジムに行くとバランスボールが置いてあることが多く、つい嬉しくなって寝そべりたくなりますが、バランスボールのサイズによっては非常に危険な角度まで腰がそりあがります。
他の適切なストレッチをおこなうことを推奨します。(後述しています)
注意するべき筋トレ
次にやらないまではいかなくてもやる際に十分な注意が必要な筋トレをいくか紹介します。
デッドリフト
デッドリフトで腰を痛める人がもっとも多いのではないでしょうか?
重たい重量を挙上する際に、十分に体幹部に力が入っていないと全ての負担が腰椎にかかり、腰椎の椎間板を潰してしまいます。
腰で持ち上げるよりかは、股関節、下半身で重量を持ち上げるように負担を分散させることが大切になります。
スクワット
デッドリフトとほぼ同じ動き方で、重量が肩に乗っかっているのがスクワットです。
同様の理由から腰を潰してしまう人が多いので十分に注意してください。
トレーニングベルトなどを使うと体幹部が安定し、腰椎への負担を減らすことができます。
スクワットジャンプ
ジャンプ系のトレーニングもとても危険です。
扱う重量が小さいために負担が少ないようですが、ジャンプから着地する際には腰にものすごい負担がかかります。
それをしっかりと股関節から下半身に分散させる必要があり、そのためにはやはり正しいフォームでおこなうことが必須になります。
ヘルニアにおすすめの筋トレメニュー5選
ヘルニアを予防するためには体幹部を鍛えることが適切です。
体幹を鍛えるなら背筋腹筋だ!と思った方、残念!
上記でも解説した通り、それらのような運動は腰に負担をかけてしまうのでヘルニアの再発の原因となってしまいます。
ここでは、それらのトレーニングに変わる適切な体幹トレーニングを難易度(安全度)順に紹介していきます。
体幹トレーニングの王道「プランク」
これは体幹トレーニングのなかで、もっとも安全なトレーニングになりますのでどんどんやってもらいたい種目の1つです。
うつ伏せで行なう通常のプランクが出来たら、横向きの再度プランクもやってみましょう。
そもそも、このトレーニングで腰椎は動きませんのでヘルニア再発の可能性も最小限です。
腹筋なら「クランチ」
クランチは一見「腹筋」のようなトレーニングですが、決して上半身を持ち上げるのではなく、腹筋を丸く収縮させるトレーニングです。
腹筋の代わりにこちらのトレーニングを採用してください。
背筋やお尻を鍛える「ヒップリフト」
お尻、背筋を鍛えるトレーニングです。
背中を沿ってしまうような背筋トレーニングより、安全で効果的なトレーニングになります。
慣れてきたら股関節にバーベルを乗せることで重量調節をすることが可能です。
スクワット&デッドリフト
上記のトレーニングが出来るようになったら、最終段階としてウエイトトレーニングを開始しましょう。
はじめは軽い重量から、徐々に重量を挙げていくようにしてください。
- 正しいフォーム
- 無理のない重量
- トレーニングベルトの使用
これらを守って安全なトレーニングをしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
とにかく、筋トレとヘルニアはとても関係が深いので、まだヘルニアをわずらったことがなくともヘルニアのメカニズムについては十分に理解し、それに十分に注意を払いながら筋トレを行なうのがおすすめです。
これからも楽しい筋トレライフを送るために、適切なトレーニングを忠実に取り組んでください。
コメントを残す