筋トレに取り組まれている方で、格闘技もやっている方はどれくらいいらっしゃいますか?
ジムに行くと、男女問わず鏡の前でシャドーをされている方を多く見かけます。
フィットネスブームの一環として、試合には出ないけれども格闘技をやっている、という方は非常に増えてきたのではないでしょうか。
この記事ではそんな、戦う人もそうでない人も、また格闘技ではないけれども他のスポーツに取り組んでいる方にも参考にして頂けるような「格闘技のための筋トレ」を紹介していきます。
どの筋肉を鍛えてどのような筋トレメニューを行った方がいいかなども、解説していくので参考にしてみてください。
目次
格闘技で使う主な筋肉は?基本は全身!
格闘技がフィットネスとして非常に人気な理由は、「とにかく全身の筋肉を様々な使い方をする。」からです。
パンチ一つ繰り出すにしても、基本のフットワークより生み出した力を上半身に伝えるためには下半身、体感、上半身の様々な筋肉を使います。
総合格闘技などでキックも使うとなるとなおさらです。
これが全身の筋肉を使うということですが、様々な使い方をするというのはどういうことかというと。
基本的に格闘技は無酸素運動です。
パンチなどは瞬発的に全力で打ち込みますよね。
これは、一瞬に全身の力を込める陸上投擲(無酸素運動)などと似た性質の運動になります。
しかし、パンチを一発放つだけでは格闘技は終われません。
必要であれば連続でパンチを繰り出し、相手との間合いをコントロールするために1R中ずっとフットワークを続けなければなりません。
3分間(競技により異なりますが)動き続けるという意味では、持久的な要素ももつ格闘技は、無酸素運動であり有酸素運動にもなります。
これが、格闘技がフィットネスとして非常に人気な理由であり、筋トレにより格闘技のパフォーマンスを向上させようとする場合には絶対に注目しなければならない特性です。
格闘技別で特に利用する筋肉について
格闘技別に得意大切になってくる動きと筋肉を紹介します。
ボクシング
臀部、体幹部、肩周り。
下半身で産み出した力を臀部、体幹部を通じて上半身に伝えます。
ヒットマッスルと呼ばれる背部の筋肉に加えて、肩周りの筋肉を強化することでパンチの強化と肩の怪我を予防します。
キックボクシング
臀部、体幹部(特に腹斜筋)、肩周り。
ボクシングの動きにキックの動作が加わりますので、特に体幹部の強化が求められます。
体幹部はヒップフレクション(脚を持ち上げる動き)の運動を強化出来るように動的な(アイソメトリックでない)トレーニングを行なう必要があります。
総合格闘技
臀部、体幹部、背筋群。
総合では特に相手と絡み合った状態での打撃が重要視されます。
相手を制圧する、寝技で自由を奪うために特に大切な筋肉が背筋群になります。
強靭な背筋群があれば、タフさ、圧倒的な力強さが手に入ります。
テコンドー
臀部、体幹部、背筋群。
総合と同じような筋群が大切になっていますが、用途が少々異なります。
テコンドーで特に大切になってくる動きが「回転」です。
これを制御するための臀部、体幹部、背筋群の筋肉ですので、総合格闘技のような筋力重視のトレーニングをしてはいけません。
アンチローテーショントレーニングと呼ばれる、自身の遠心力(回転力)を制御するようなトレーニングを行なってください。
格闘技を目的で筋トレをする場合の注意点
格闘技のために筋トレをする上で絶対に注意しなければならないのが、筋肉を肥大させすぎてはいけないということです。
体重により階級に分けられる格闘技では、減量をする選手を多く見かけます。
体重が80kgでベンチプレスが100kg挙がる選手よりも、体重が60kgでベンチプレスが90kg挙げられる選手のほうが格闘技においては優秀といえます。
細いながらも、しっかりと筋力を持ち瞬発的かつ持久力のある筋肉、というなんとも矛盾した能力が格闘技では求められます。
そのためには、
- 種目選択
- 挙上方法
- セットの組み方
以上の3つのポイントを工夫する必要があります。
種目選択
瞬発的に筋肉が収縮しなければならないような種目を選択しましょう。
例えば、
- ☓デッドリフト→◯クリーン
- ☓ショルダープレス→◯ジャーク
- ☓フロントランジ→◯シザースジャンプ
- ☓プッシュアップ→◯クラッププッシュアップ
このような種目です。
挙上方法
種目選択で筋肉の収縮パターンにアプローチでいない場合、自分でウエイトの挙げ方を工夫する必要があります。
挙げる動作を素早く行なうことを意識しましょう。
また、普通の筋トレであれば下ろす動作はゆっくり、と言いたいところですが格闘技のための筋トレであれば筋肉が無駄に肥大してしまうと良くないので、なるべく素早く下ろすようにしましょう。
セットの組み方
瞬発力と持久力のどちらも必要である格闘技では、サーキットトレーニングがおすすめです。
いくつかのトレーニングを連続して行なうことで、瞬発的な筋力と持久的な筋力を鍛えることが出来ます。
過去のジャイアンツセットの記事などを参考にして頂ければと思います。
以上の3つポイントに気をつけながらトレーニングに励んでください。
格闘技におすすめの筋トレメニュー
上記の種目選択で解説したような、「瞬発的に筋肉が収縮しなければならないような種目」をいくつか紹介するので、参考にしてください。
クリーン
主に背筋や脚力を鍛えることの出来る種目です。
ウエイトリフティングのような深いクリーンではなく、ハングクリーンと言われる可動域を制限したものがおすすめです。
軽い重量で10回ほど連続して素早く行ってください。
ジャーク
押す力を鍛えることが出来るこの種目では、主にパンチ力を鍛えることが出来ます。
上半身だけでなく、下半身の使い方も大切になってくるので格闘技に似たトレーニングが出来るはずです。
クリーン同様、軽い重量で10回ほど連続して素早く行ってください。
ダンベル(ケトルベル)スイング
クリーン同様、背筋や下半身の瞬発力を鍛えることが出来るトレーニングです。
このトレーニングでは、ネガティブ動作であまり力が入らないことから、筋肉が無駄に肥大することがありません。
体重などをシビアにコントロールしている選手におすすめのトレーニングです。
シザースジャンプ
このトレーニングは下半身の力を爆発的に発揮するトレーニングです。
全ての動きの源となる下半身を強化することで、打撃、投技、防御、全てを強化することができます。
クラッププッシュアップ
通常の腕立て伏せを瞬発的なトレーニングに変化させたものです。
瞬発的なプッシュ動作の他に、CKCトレーニングですので肩関節の安定性などを強化することができます。
必須のトレーニングです。
ハンドラダー
素早く手を動かしながら、プッシュをする運動を強化します。
連続でパンチを繰り出したり、素早くジャブを放つためにとても大切なトレーニングです。
プッシュアップ同様CKCですので、肩のインナーマッスルなども強化できます。
ボックスジャンプ
下半身の爆発力を強化するトレーニングです。
動画よりも低い目標を作って、連続して前後にジャンプするようなトレーニングにしたほうが格闘技のためのトレーニングとしては効果的です。
タイヤフリップ
格闘技のために生まれて生きたトレーニングといっても過言ではありません。
下半身の強靭さから握力まで、全身の力という力を必要とします。
ハンマートレーニング
背筋力や体幹を鍛えることが出来ます。
海外の総合格闘技選手にも人気のトレーニングですので、是非試してみてください。
十分に周りに注意して行ってください。
ロープスラム
サーキットトレーニングの1種目として是非取り入れていただきたいのが、このロープスラムです。
30秒や1分など決められた時間、ロープを動かし続けるこのトレーンングでは腕力だけでなく下半身、体幹の安定性が求められます。
持久力が重要視される格闘技では是非取り入れて欲しいトレーニングです。
以上が格闘技をやるためにおすすめのトレーニングです。
一般的なベンチプレスやスクワットは今回は入れていません。
もちろん、行ってダメということはないです。通常の筋トレも大切ですからね。
ただ、格闘技の場合は瞬発力を上げて持久力も持続させるため、筋肥大を目的とした普通の筋トレよりは上記のようなトレーニングの方がおすすめです。
格闘技におすすめのサプリメント4選
最後に格闘技におすすめのサプリメントを紹介します。
適切なサプリメンテーションは競技能力を向上させるだけでなく、長い間競技を楽しむ上でとても大切なことです。
怪我の少ない競技生活を送るためにも、是非実践してください!
プロテイン
トレーニング後にタンパク質を適量摂取することは、筋肉の疲労を取り除くためにもとても大切です。
身体を大きくしたくないから飲まない、何ていうのは言語道断。
怪我の原因となりかねませんので、しっかりとタンパク質を摂取するようにしましょう。
グルタミン
身体の免疫力や筋疲労を回復させる効果があります。
格闘技では特に外因性の怪我が多くなりますので、グルタミンを摂取して身体をメンテナンスする必要あります。
カルニチン
格闘技をフィットネスのために行っている方に、練習前に是非飲んでいただきたいサプリメントです。
体脂肪をエネルギーとして燃焼させるサポートをしてくれるこのサプリメントを飲むことで、運動中のエネルギーアップをし、また体脂肪が減りやすくなります。
HMB
筋肉の分解の抑制や筋肉の合成を手助けしてくれるサプリメントです。
ボディビルダーみたいな筋肉を付ける必要はないですが、それなりに筋肉を付けないと力で負けてしまうので、筋肉の合成をサポートしてくる成分も必要不可欠です。
まとめ
以上、格闘技のための筋トレでした。
格闘技は本当にフィットネスのための運動としても優秀ですので、既に取り組まれている方は是非頑張って頂きたく思います。
そうでない方も、これをきっかけに興味を持ったならばやってみてはいかがでしょうか。
競技者もそうでない方にも、なにか参考になったことがあれば幸いです。
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