今回紹介するパーシャルレップ法は超簡単で、特にトレーニングプログラムなどを組まなくても”今すぐに”実践できるテクニックです。
これを知っているか、知らないかだけで、1セットでの筋肉への追い込みが大きく変わってきます。
興味はなくとも、知識として持っておくだけで十分に価値のあるテクニックです。
たまに刺激を変えるのは筋トレをする上では大事ですので、参考にしてみてください。
目次
パーシャルレップス法とは
簡単に言うとパーシャルレップとは、最後の数レップにてウエイトを動かすレンジ(可動域)を制限することによって目標レップ数を達成させる、もしくは筋力を最後まで使い切るためのテクニックです。
例えば、100kgで6レップスに挑戦する際、最後の6レップ目が上がらなかった。。。でも、あと少しだったのになぁ。。90kgだったら挙がったかもしれない。。
なんてこと、ありませんか?
以前に紹介したフォーストレップ法では、補助者に手助けしてもらうことで全力を出し切るというトレーニングでしたが、今回のパーシャルレップは一人でも安全に最後まで追い込むことが出来るテクニックです。
先程も紹介したように「レンジ(可動域)を制限すること」で最後の上がらなかった6レップ目を無理やり挙上させます。
そして更にレンジ(可動域)を制限すれば7レップ目も挙げることが出来るかもしれません。
このように刻みながら筋肉を最後の最後まで追い込んでいくのがパーシャルレップ法です。
パーシャルレップ法のメリット
そんなパーシャルレップ法のメリットですが、
- 一人で手軽に出来る
- 最後までめちゃめちゃ効く
- 怪我でもトレーニング出来る
このようなメリットがあります。
一人で手軽に出来る
本来、最後まで追い込むとなると補助を付ける方法が一般的ですが、やはりパートナーは必要になります。
しかし、パーシャルレップは一人でも行えるテクニックですし、特に特別なプログラム(レストポーズ法のような)が必要なわけではありません。
最終レップで「もっと追い込みたい!」と思ったら、すぐにできます。
最後までめちゃめちゃ効く
パーシャルレップ法にも相性がいいトレーニング、そうでないトレーニングと言うものがあります。(詳しくは後述します)
特にラットプルダウンなどのプル系トレーニングはパーシャルレップと相性がよく、パーシャルレップを知らないことはものすごく損をしていると思っていただいたほうがいいです。
背中に上手に効かせられないという方は今回のパーシャルレップのやり方は必見です。
怪我でもトレーニング出来る
パーシャルレップ法が本格的にプログラムに取り入れられる場合というのは「怪我のリハビリ」です。
関節を怪我してしまい、ここまで動作すると痛む。という場合にパーシャルレップ法がよく用いられます。
筋トレには怪我が付きものです。
しかし、軽度な怪我で毎回トレーニングを中止してしまっていたのでは筋肉の成長は望めません。
パーシャルレップで怪我をしている部位に負担をかけずにトレーニングしていきましょう。
パーシャルレップ法のデメリット
パーシャルレップ法のデメリットと言うものが正直、思い浮かびませんが、あげるとすると
- 筋肥大効果において格段に優れているわけではない
- 見た目がよろしくない
この2つです。
筋肥大効果において格段に優れているわけではない
パーシャルレップ法は、通常のトレーニングに+αするだけの小技程度という考え方もできるので、他のトレーニング方法(クラスタートレーニング、レストポーズ)などのように特別な筋肥大効果があるかと言われたら、そうではないかもしれません。
ただ、それでも通常のトレーニングよりは効果がありますけどね。
見た目がよろしくない
もう1つあえて上げるならば、見た目があまり良くない、ということでしょうか。
筋トレコミュニティにおいて「フルレンジが至高」という考え方がしばしば見受けれますよね。
特にスクワットなどでは「深くしゃがんだやつが正義」のような暗黙のルールと言うものがあります。
なので、人によっては「あいつインチキして筋トレしてるぜ~」みたいに思う人もいるかもしれないです。
ただ、筋トレで正しいのは「筋肉がでかくなる方法」であって「かっこよさ」では決してありません。
ぶっちゃけ筋肉が成長していれば問題はないので、その辺りは気にしないで大丈夫です。
パーシャルレップ法の効果的な行い方(考え方)
先程、上記でも述べたようにパーシャルレップ法には「向いているトレーニング」と「向いていないトレーニング」と言うものがあります。
また、その種目の特性を理解することで、「向いていないトレーニング」でも上手にパーシャルレップ法を取り入れる事ができますので、それについて解説させていただきます。
まず、パーシャルレップ法を実践するにあたり、理解しておかねばならないワードが1つあります。
それが「スティッキングポイント」です。
スティッキングポイントは、可動範囲内で最もウエイトが重く感じるポイントのことを指します。
パーシャルレップ法に「向いているトレーニング」とは、このスティッキングポイントがレンジの外側にあり、「向いていないトレーニング」とはスティッキングポイントがレンジの内側にあるトレーニングです。
ちょっとこの定義だけだとわかりづらいので、解説させていただきます。
まず、今回はベンチプレスを例として挙げます。
パーシャルレップ法に向いていないトレーニング
ベンチプレスの可動域をABCDEの5段階に分割し、トップポジションをA、ボトムポジションをEとした場合、個人差はありますがスティッキングポイントはC、つまり中間あたりになると思います。
Aがトップポジション、Cがスティッキングポイント、Eをがボトムポジションだった場合、それぞれのポイントでかかる負荷をパーセンテージで表すと以下のようになります。
- A:80%
- B:90%
- C:100%(スティッキングポイント)
- D:90%
- E:80%
この様に、スティッキングポイントからどのくらい離れているかによって負荷が変化するのです。
そして、パーシャルレップを行う場合は”必ず”このスティッキングポイントから逃げる必要があります。
スティッキングポイントを通過する場合は100%の筋力必要になり、それが出来ないためにパーシャルレップを取り入れるわけですからね。
つまり、この例を参考にベンチプレスでパーシャルレップを行なう場合はスティッキングポイントであるCを通過しない、「A〜B」もしくは「D〜E」で可動させる必要があります。
これが理解できていない場合、トップポジション付近でパーシャルレップを行おうとし、間違えてCに差し掛かったために潰れてしまうということが起きます。
もともと5段階あった可動域ですが、スティッキングポイントが可動域内(C)にあるおかげで、パーシャルレップを使った場合、急に2/5まで可動域が狭められてしまいます。
これがパーシャルレップに「向かないトレーニング」ですが、上手にやれば2/5の可動域でも十分に利かすことが出来ます。
パーシャルレップ法に向いているトレーニング
では対照にパーシャルレップに「向いているトレーニング」、スティッキングポイントが可動域外にある、とはどういうことでしょうか。
ラットプルダウンなどを思い浮かべて頂ければわかると思いますが、プル系トレーニングにはスティッキングポイントがありません。
引けば引くだけウエイトが重く感じられる。僕はこれをスティッキングポイントが可動域外にあると表現しています。
先程のように図で見ていきましょう。
Aがスタート、Eがフィニッシュの場合、スティッキングポイントはFにあると思ってください。
その場合、負荷のかかるパーセンテージは
- A:50%
- B:60%
- C:70%
- D:80%
- E:90%
- F:100%(スティッキングポイント)可動域外
となります。
つまり、パーシャルレップを行なう場合はスティッキングポイントの位置を気にすることなく「引けるところまで引く」だけですので非常に簡単です。
筋力が90%残っていればEまで、70%しかなければCまで引くだけですからね。
つまり、これがパーシャルレップに「向いているトレーニング」です。
パーシャルレップ法に向いているトレーニングと向いていないトレーニング一覧
最後に、先程紹介したパーシャルレップ法で
- 向いているトレーニング
- 向いていないトレーニング
それぞれでおすすめの筋トレメニューをいくつか紹介します。
向いている筋トレメニュー
まずは、パーシャルレップに向いているトレーニングを紹介します。
- ラットプルダウン
- シーテッドケーブルロウ
- ベントオーバーロウ
- チンニング
- ラテラルレイズ
- アップライトロウ
- ケーブルクロスオーバー
- ダンベルフライ
- トライセップスプレスダウン
- ナロウグリップベンチプレス
- レッグエクステンション
- カーフレイズ
これらの種目は上記で紹介したラットプルダウンのように、引けるところまで引く、押せるところまで押せばいいだけですので、特に解説はしません。
向いていない筋トレメニュー
パーシャルレップに向いていないトレーニングは、スティッキングポイントの”上”か”下”のどちらでトレーニングするべきなのかが悩ましいところなので、それについては簡単に解説します。
ベンチプレス
スティッキングポイントの上、つまりA〜Bの可動域でトレーニングするのが一般的です。
下でトレーニングすると、潰れてしまうからです。
しかし、セーフティをしかっりと設定できているのであれば、下でトレーニングする方法も十分に効果的なトレーニングになります。
下でトレーニングした場合、ストレッチ系種目に該当しますので、それに見合った効果を得ることが出来ます。
スクワット
これは完全に”上”で決まりです。
スクワットはスティッキングポイントの下でトレーニングすることはできません。なぜなら、重りに負けた瞬間に潰れてしまうからです。
上でトレーニングしつつも、関節はロックアウトさせずに負荷を逃がさない、そんなトレーニングが出来たら最高です。
ダンベルプレス
このトレーニングは是非、スティッキングポイントの”下”でトレーニングしていただきたい種目です。
というのも、この種目でよく見受けられる間違いとして、挙上し過ぎで大胸筋から負荷が抜けてしまっているというパターンがあります。
これを避けるためにも、是非下で行ってください。
アームカール
アームカールのスティッキングポイントはかなり高い位置にあるので、下でトレーニングすることをおすすめします。
A〜Eの5段階で示す場合、おそらくBあたりがスティッキングポイントですので、より可動域の広い下(C〜E)でトレーニングしたほうが効率的です。
まとめ
以上、パーシャルレップ法でしたがいかがだったでしょうか。
基本的には簡単なトレーニングですが、本質を理解しようとすると少し難しく考える必要があります。
このパーシャルレップは怪我の少ない手軽で安全なトレーニング方法ですが、唯一挙げられる注意点としてはやはり、スティッキングポイントをしっかりと把握するということ。
スティッキングポイントが分かっていないと、パーシャルレップで挙上するつもりがスティッキングポイントに差し掛かり、潰れてしまうということがあります。
もちろん、セーフティを設定していて当然なのですが、万が一ということがありますので十分に注意して行ってください。
では、今回これで^^
コメントを残す