RICE処置の基本知識まとめ。おすすめの時間とやり方を徹底解説!

スポーツや筋トレなどの激しい運動を行なう場合、最大限に注意しなければければいけないのが「怪我」です。

アクシデントによる傷害や、自分の体調を見誤ってしまったがために起こる怪我など、怪我の原因は様々ですが、

残念なことにどんなに注意深くトレーニングしていてもやはり怪我を0にすることはできません。

しかし、今回紹介する「RICE処置」は、怪我をしてしまった後、怪我の被害を最大限に抑え素早く回復させるための下準備となる応急処置です

怪我の経験がない方には想像するのが難しいかもしれませんが、怪我直後の応急処置のあり方で怪我の回復が1-2週間、規模によっては1ヶ月ほど変化してしまいます。

正しい応急処置を学び、自分、もしくはパートナーの怪我に適切に対処しましょう。

そもそもRICE処置って何?どんな処置?

RICE処置とは、

  • Rest(安静)
  • Ice(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)

の頭文字をとった世界基準の応急処置法です。

怪我直後、怪我をしてしまった部位に血液が入り炎症を起こすことを避けるために、Rest、Ice、Compression、Elevationを行い、その部位での血液の循環を最大限に抑えます。

怪我をしてしまってから専門家に診てもらうまでの期間に、このRICE処置をするのがスポーツなどでは基本になっています。

RICE処置を行うことで炎症を抑え、その後専門的な治療を行なうことによって怪我を早期回復させることができます。

  • 筋挫傷
  • 骨折
  • 捻挫
  • 打撲

など、スポーツの現場で起こりうる様々な怪我に加え、出血を抑える場合でも応用ができるRICE処置はスポーツに携わる方は必ず知っておくべきものです。

RICE処置の正しいやり方

でじゃ実際の詳しいやり方を見ていきましょう。

Rest(安静)

怪我をしてしまったら、まずは安静にしましょう。

  • 無理に運動する
  • 怪我の具合を自分で確かめてみる

などは行なわないでください。

筋挫傷などの筋損傷に対してストレッチを行なうのもこの段階(怪我後2~3日間)は禁止です。

運動などを行なうことにより、血流が上昇し炎症を悪化させてしまうからです。

Ice(冷却)

患部を15~20分間、冷却してください。

長時間に渡り冷却しなければならないので、コールドスプレーよりは氷嚢(ひょうのう)などをおすすめします。

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上記のような専門的な器具がない場合は、コンビニなどのレジ袋に氷などを詰めて患部に当てても問題ありません。

ただ、破れないようにだけはしてください。

冷たさで我慢出来ない場合はタオルなどを一枚噛ませても構いませんが、発熱時の熱取りのための氷嚢とは違い、患部を極度に冷却する必要があるため多少の我慢は必要です。

長い時間冷やしすぎると凍傷の恐れがあるので、時間はしっかりと管理してください。

Compression(圧迫)

圧迫することでも血流、そして炎症を抑えることができます。

氷嚢を当てている場合はそれを固定するようにバンテージやラップを巻きましょう。

気持ち強く巻きつけることで圧迫し、血流を抑えます。

出血などを圧迫して止める場合には清潔なガーゼなどを丸めて患部に当てて上から強く抑えましょう。バンテージなどで強く巻いても構いません。

Elevation(挙上)

患部が下半身の場合は重力により下半身に血流が回ってしまうので、患部を挙上しましょう。

心臓よりも高く挙げることがポイントです。

怪我直後の対応・順番

怪我直後、実際にどのように対応すればいいのかを紹介します。

怪我直後

まずは上記のRICE処置を行ないましょう。

冷却は15~20分行った後、15~20分程度のインターバルを挟み3~5セットを目安に可能な限り行ってください。

RICE処置を行った後

RICE処置を施したら、なるべく早く専門家に見てもらいましょう。

専門家に見てもらえない場合は、怪我から48時間を経過するまではRICE処置を可能な限り行ってください。

この間はお風呂などで患部を温めることも避けてください。

怪我から48時間後

痛みが出ない範囲でのストレッチ、トレーニングを行ってください。

痛みが完全になくなるまでは、毎回トレーニング後、また入浴後にRICE処置を行ってください。

専門家に見てもらった場合は専門家の指示に従ってください。

特定の怪我を対処する場合の注意点

RICE処置をする場合でも特定の怪我では更に注意する必要がでてきます。

ここでは、

  • 捻挫
  • 肉離れ
  • 筋肉痛

この3つについての注意点を紹介します。

捻挫

捻挫は関節が許容範囲の可動域を外圧によって大きく超えた場合に起こる怪我です。

特にサッカーやバスケ、アメフトといった競技で起こる足首の捻挫が多いですが、この場合もまずはRICE処置を実践しましょう。

捻挫は繰り返し易い怪我の一つです。

捻挫しやすくなった足首をフットボーラーズアンクル(アメフトで捻挫が多発しやすいことから)、捻挫や脱臼がしやすくなった肩をルーズショルダーなどと呼んだりします。

これの原因としては、関節周辺の組織(靭帯や筋肉など)が緩むことがよく挙げられますが、もう一つ深部感覚のズレについても注目してください。

捻挫を繰り返すことにより深部感覚が崩れ、関節が「怪我をしない正しいポジション」を忘れてしまいます。

この様な場合はRICE処置に追加して、関節周辺の組織を鍛えるトレーニングと深部感覚を取り戻すトレーニングを行なう必要があります。

肉離れ

捻挫同様、スポーツや筋トレの現場でよく見る怪我の一つです。

過度な筋収縮により筋膜や筋線維が損傷する怪我です。

陸上短距離、アメフト、ラグビーのようなスプリント系種目ではハムストリングスの肉離れが起こります。

もちろんこれらについてもRICE処置を行ってください。

しかし、特に注意しなければならないのが完治の診断です。

怪我が治ったと思い、急に激しい運動へ戻るとまた肉離れを起こしてしまいます。

肉離れから復帰する際は徐々に運動の強度を上げていくなど慎重なる必要があります。

捻挫、肉離れの2つの事例からも分かる通り、RICE処置は万能な治療法ではなく応急処置です。

RICE処置に追加して適切な処置(専門家の指示によるものが最適)を行ってください。

筋肉痛

このRICE処置は筋肉痛に対しても応用することできます。

筋肉痛も厳密には怪我ですが、規模が小さいため上記で紹介したような完璧なRICE処置を行なう必要はありません。

しかし、トレーニング後にトレーニングした部位を冷却するなどにより回復を早めることができます。

トレーニング後のシャワーなどで冷水を当てるなどしてみてはいかがでしょうか。

また、特におすすめなのが交換浴です。

冷水でのシャワーを5分間当てた後、温水に5分使ってください。

これを合計3セットほど行なうことで炎症を抑えて回復を早めることが可能です。

筋トレとRICE処置の関係性!怪我の危険性がある種目は?

筋トレでは筋肉痛だけでなく、様々な怪我が起こります。

それはあなたに起こるかもしれませんし、あなたのトレーニングパートナー、同じジムでトレーニングしている人に起こるかもしれません。

誰が怪我をしようとも、RICE処理をマスターしていたならばその場で適切な応急処置をすることができます

以下、特に怪我の危険性がある種目です。

怪我に対する注意もですが、その後の応急処置も大切です。

スクワット

一番怪我の可能性が高いのはスクワットでしょう。

とにかく高重量が扱えるこの種目では、その重量により様々な怪我が起こっていしまいます。

重量の落下、指を挟む、などなどのアクシデントからフォームが崩れてしまうことによる怪我の可能性もあります。

特に、スクワットでは膝や腰を痛めてしまうケースが多いです。

そのような形で怪我をしてしまった場合は決して無理をせず、速やかにRICE処置を行った後、専門家に見てもらいましょう。

デッドリフト

腰を痛めてしまうことが多いこの種目では特に注意が必要です。

怪我をしないようにフォームについて最大限の注意が必要ですが、それでもやはり怪我は起こってしまいます。

腰の怪我は正直どの程度痛めてしまったのか分かりづらいことがあります。

それ故にその後、無理をしてしまって更に悪化させてしまうのがよくあるパターンです。

すぐにRICE処置で対応してください。

ベンチプレス/ショルダープレス

これらのプレス系種目では、肩を痛めてしまうことがあります。

特に重度な場合は脱臼などが考えられます。

脱臼は絶対に自分一人や周りの人と治そうとせずに、専門家に直接治療してもらってください。

専門家に診てもらうまでに時間がかかるようであれば、RICE処置で怪我を最小限に抑える必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

RICE処置はもはやスポーツに携わる方にとっての常識です。

更に激しいコンタクトスポーツなどに関わる方は、さらに進んだ救命処置なども勉強してみてはいかがでしょうか。

これらはスポーツの現場だけでなく、災害時などにも役に立つものです。

是非、マスターしてください。

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