どんなスポーツをしていても、そのスポーツの練習とは別でフィジカル面の筋トレは必須になってきます。
それ以上にバスケット、アメフトといったコンタクトスポーツにおいて筋トレの重要性は更に高まってきます。
今回はそんなコンタクトスポーツの中からラグビーを抜粋し、ラグビー選手としてパフォーマンスアップを図るならばどんな筋トレが有効なのか考察しましたので紹介したいと思います。
よくある間違いとして、とにかく強い体を作るためにボディビルダーのような筋肉を大きくするためだけのトレーニングをしてしまう選手がいます。
しかし、筋肉には特異性と言うものがあり、どんなトレーニングをしたのかによって、その筋肉が得る性質というのが異なりますので、ラグビーならラグビーに適した筋トレをする必要がある、というわけです。
では、さっそく紹介していきます!
ラグビーで使う筋肉の種類
例えば、指導者の方にラクビーで使う筋肉はどこですか?と聞くと、
- 上腕二頭筋はボールを保持する時に使うから大切。
- 走る時は大腿二頭筋を使うから大切。
なんて指導をよく耳にしますが、その運動でどこの筋肉を使うかどうかを考えるのは非常にナンセンスです。
私たちの体には600程度の種類の筋肉が備わっていて、歩くだけでも約200種類近い筋肉が動員すると言われています。
それをスポーツという更に複雑な現場で、どこの筋肉が使われているのかを理解するのは私たち人間には少し複雑すぎます。
過去にも記事でも何度か紹介しましたが、
スポーツのための筋トレでは「筋肉を鍛える」のではなく「動作を鍛える」ことを心がけましょう。
ラグビーで特に大切になってくる動作は以下のものです。
- 地面を押す(走る、方向転換する、相手を押す)
- 体をひねる(方向転換する、蹴る)
- 腕を使う(コンタクトする、方向転換する)
今回はこれら3つの動作を鍛えるためにおすすめの筋トレを紹介してきます。
ラグビーを目的で筋トレをする場合の注意点
コンタクトスポーツのために筋トレをする場合、もしくは指導者の立場で選手に筋トレを指せる場合に常に配慮しなくてはいけないのは「怪我の具合」です。
特にラグビーなどのハードなスポーツをしている人に限って我慢強く、怪我を報告しない、もしくは怪我をしているけど根性(笑)で筋トレをしてしまう人が多いです。
特に悪化の可能性が少ない打ち身とかであれば問題ありませんが、
- ハムストリングスの度重なる肉離れ
- 腕を挙上した時の肩の痛み
- 膝の違和感 (これらはラグビーで特に現れやすい症状です。)
これらのような症状がある場合は、筋トレのフォームや方法、骨格の崩れなど、今すぐ処置を行わなければいけないサインです。
しっかりと自分の身体と対話し、正しいフォームで筋トレができているのが、骨格は崩れていないか、考えていきましょう。
ラクビーにおすすめの筋トレメニュー
上記で紹介した3つの動作を強化するための筋トレをそれぞれ3つほど紹介して行きます。
- 月曜日は「地面を押す」を強化するための筋トレ
- 水曜日は「体をひねる」を強化するための筋トレ
- 金曜日は「腕を使う」を強化するための筋トレ
といったように分割して鍛えていきましょう!
「地面を押す」を強化するための筋トレ
地面を押すを強化する筋トレとしては
- スクワット
- ランジ(フロント、バック、ラテラル)
- ボックスジャンプ
この3つがおすすめです。
スクワット
陸上短距離のような自分の身体を移動させることが目的である場合は、それほど重量に拘る必要もなく、瞬発的なトレーニングを心がけるだけでいいのです。
しかし、ラグビーのようなコンタクトスポーツでは相手の選手に当たり負けしないためにも、しっかりと高重量のスクワットをおこない、強靭な下半身を築き上げる必要があります。
特にコンタクトが激しいフォワードは、高重量のスクワットを。
俊敏性が求められるバックスもボディバランスを強化するために高重量を扱いつつも、瞬発性を失わないようにスクワットジャンプといった瞬発系種目と組み合わせてトレーニングすることをおすすめします。
ランジ(フロント、バック、ラテラル)
動画はフロントランジですが、バックランジ、ラテラルランジと様々な方向へのランジをおこなうことで、重心移動、つまり方向転換の能力を強化することができます。
特に、スタートポジションに戻るために地面を蹴り出す力が大切で、瞬発的に動作するようにしましょう。
動画のフロントランジでは、バーを前に担いでいます。
相手と押しあった場合などは、動かしたいオブジェクトが自分の重心より前にありますので、バーを前に担ぐことで同じような状況を作り出すことができます。
逆にバックランジは前方への加速力を強化するために効果的なトレーニングですので、この場合はバーを後ろに担ぐことが適切です。
ボックスジャンプ
ボックスジャンプはスクワットで強化した下半身の筋力を、実際のスポーツの現場で使えるようにする、実用性を高めるトレーニングになります。
通常の正面への両足を使ったジャンプの他には、
- 片足
- 横向き
- 横向き片足
- 連続で
などなど、様々な方法がありますので、多くの種類に挑戦してみましょう。
更なるパフォーマンスアップに繫がります。
「体をひねる」を強化するための筋トレ
体をひねるを強化するための筋トレは
- ハンギングレッグレイズ
- ローテーショナルスクワット
- レネゲードロウ
この3つがおすすめです。
ハンギングレッグレイズ
まずは身体をひねるトレーニングをする前に、体幹部を強化しましょう。
体幹部とは下半身と上半身をつなぐ組織のことで、下半身で発生した力を上半身へ、上半身で発生した力を下半身へと伝達する役割があります。
このような働きを持つ体幹部を鍛えずにひねりの筋トレをしてしまうと、腰がひねりに耐えられず怪我をしてしまう恐れがあります。
最終的に動画で紹介されている(1:50あたり) Leg Raise Circlesができるようになることを目指しましょう。
ローテーショナルスクワット
こちらのトレーニングは、下半身で発生したひねりを上半身へと伝えるためのトレーニングです。
「地面を押す」を強化するための筋トレで行なったスクワットを、こちらでも応用させてください。
動画のトレーニングに追加し、メディシンボールを上斜め方向へ投げるようにすると更に効果的です。
レネゲードロウ
こちらは先程のトレーニングとは逆に、上半身からひねりを発生させるパターンです。
多くの方が見落としがちですが、方向転換で体をひねる際にはまず上半身が、中でもヒジと頭を進行方向へ向かって大きく振ることが大切になります。
そのためにこのレネゲードロウで、ヒジを引くトレーニングを行なってください。
腕だけで引くのではなく、肩甲骨ごとしっかりと引き、逆の手は地面を強く押すようにすると動きが安定します。
「腕を使う」を強化するための筋トレ
腕を使うを強化するための筋トレとしては
- ベンチプレス
- ベントオーバーロウ
- ショルダープレス
この3つを取り入れてみてください。
ベンチプレス
上半身の基本的なトレーニングです。
ベンチプレスでは主に「押す」運動を鍛えることができ、相手を押す、はねのけるなどの場面に活躍します。
また、大胸筋のように肩の周辺についている筋肉を鍛えることで、肩関節を保護する役割もあります。
肩関節は人体で最も可動範囲が大きい関節であると同時に、最も脆い関節ですので周辺の筋肉でしっかり保護してあげましょう。
ベントオーバーロウ
ベンチプレスとは対照となる、「引く」運動を鍛えるトレーニングです。
「引く」トレーニングですと、ラットプルダウンなどが王道ですが、立った姿勢でトレーニングできるベントオーバーロウのほうがスポーツと似ているために、ラグビーのパフォーマンスアップのためにはおすすめです。
腕だけでなく肩甲骨ごとしっかりと引き上げることを意識してください。
ショルダープレス
ショルダープレスはフラットベンチが開発される以前、スクワットやデッドリフトとならんでBIG3とされ、とても重要視されてきたトレーニングの一つです。
ベンチプレス同様「押す」動作を強化するトレーニングですが、肩関節を保護するという意味でも非常に大切なトレーニングです。
ラグビーはコンタクトスポーツで、肩の捻挫や脱臼がとにかく多発しますので事前にしっかりと予防する必要があります。
以上、3つの目的にそれぞれ3種目の筋トレ、計9種類の筋トレを紹介しました。
その他にも様々なトレーニングがありますが、どのトレーニングおそらく今回紹介した3つの目的のどこかに当てはまりますので、決して漠然とトレーニングするのではなく、どんな目的があるのかを意識しながらトレーニングするようにしましょう。
上記で紹介したトレーニングと合わせ、食事管理をすることも欠かせません。
ラグビー選手におすすめのサプリメントを3つほど紹介しますので参考にしてみてください。
ラクビー選手におすすめのサプリメント
ラクビー選手に摂取して貰いたいサプリメントは
- プロテイン
- カーボ
- グルタミン
- HMB
この4つです。
プロテイン
ギリシア語で「最も大切なもの」という語源を持つことからも分かる通り、体づくりにおいて最も大切なサプリメントです。
トレーニングや練習の直後にケチることなくガンガン摂取していきましょう。
カーボ
カーボサプリメントやブドウ糖などのサプリメントもプロテイン同様、トレーニング直後にガンガン摂取しましょう。
カーボ(炭水化物)は身体を動かすためのエネルギーとなる栄養素ですので、とにかく運動量が多いラグビー選手はたくさん摂取する必要があり、食事だけでは足りない可能性が高いのでサプリメントからの摂取もおすすめです。
グルタミン
こちらもガンガン摂取したいサプリメントです。
筋肉の分解を防ぎ、筋疲労を和らげる他に、怪我の回復を促す効果があります。
コンタクトスポーツのラグビーでは、怪我が多くなりますのでグルタミンを摂取してしっかりと自分の身体をメンテンナンスしていきましょう。
HMB
最近、効率よく肉体を作るために摂取されているのがこのHMBです。
HMBを摂取することで、筋肉の分解を防いだり、筋肥大の促進の効果などもあります。
HMBは、粉末状でそのまま摂取すると激不味なので、タブレット状になっている物を選ぶことをおすすめします。
まとめ
ラグビーほどハードな競技では、ラグビーの練習以上に筋トレや食事といった体づくりが重要視されますので、今回の記事を参考にして頂けたら幸いです。
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