とても人気が高い「炭水化物(糖質)抜きダイエット」。
ダイエットのために、主食である白米やパンを頑張って抜いている人は多いですよね。
確かに炭水化物を抜くダイエットは、短期間で体重が減りやすいというメリットがあります。
その反面、
- 筋肉が落ちる
- リバウンドを起こしやすい
- 脳の栄養が足りなくなり集中力がなくなる
- だるくてやる気が出ない
- 続かない
などデメリットも多く、長期的に考えるとおすすめのダイエットとは言えません。
そこで、この記事では炭水化物(糖質)の性質を理解し、適量を食事に取り入れ、ダイエットや筋肉をつける効率をアップさせる食事方法をご紹介します。
管理栄養士おすすめのレシピも参考にしてください。
目次
そもそも「炭水化物」とは
栄養素は、カラダの中での働きによって、大きく
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
に分けることができます。
その中の炭水化物の一番重要な役割は、身体を動かす「エネルギー源」になることです。
人の体内では、炭水化物は合成できないので、食事から取り入れる必要があります。
「炭水化物」と「糖質」は同じ意味?
「炭水化物抜きダイエット」「糖質抜きダイエット」という言葉を良く耳にすると思いますが、大まかには同じダイエット方法を意味します。
しかし、「炭水化物」と「糖質」はイコールの意味ではありません。
炭水化物は、消化吸収に優れ、1gあたり4kcalのエネルギーになる「糖質」と、消化吸収されにくい「食物繊維」に分けられます。
糖質は、主要なエネルギーであり、生命活動に欠かせません。
ダイエットや筋肉をつけたい人は、「糖質」の性質を良く理解することが重要です!
ダイエット中や筋肉をつけたい人にも「炭水化物(糖質)」が必要
「糖質」が生命活動に必要不可欠なことはわかりましたね!
次になぜ「炭水化物」「糖質」抜きのダイエットや筋肉トレーニングがおすすめできないのか説明します。
トレーニング中の「エネルギー不足」「筋肉の分解」を防ぐ
ランニングや筋肉トレーニングのような運動をするには、カラダを動かすために、エネルギー源が必要不可欠です。
炭水抜きダイエットをすると、トレーニング時のエネルギー源が不足します。
すると、カラダはエネルギーを得るために、筋肉のタンパク質を分解。
「筋肉をつけたい!」と思い、筋肉トレーニングや運動をいくら頑張っても、炭水化物を抜いた状態では、どんどん筋肉が分解されてしまうのです。
また、筋肉量が減ると、基礎代謝も落ちます。
その結果、炭水化物抜きダイエットで、一時的に体重が減少しても、
食事制限を辞めた途端、筋肉量が減り基礎代謝が落ちたカラダは、消費カロリーが低下するので「リバウンド」を起こしやすくなります。
「集中力」や「やる気」が低下する
炭水化物抜きダイエットをすると「やる気が起こらない」「頭がぼーっとし集中力がなくなる」などの症状が生じることがあります。
それは、主に脳がブドウ糖をエネルギー源としているためです。
糖質は体内で分解されると、脳のエネルギー源であるブドウ糖になります。
極度な糖質を制限した食事を続けると、脳の機能を低下させてしまうのです。
ただし、炭水化物(糖質)の摂取し過ぎには要注意!
いくらエネルギー源だからといって、炭水化物を食べ過ぎると、太る原因に直結します。
インスリンの分泌量が問題!
食事で摂取した糖質は、カラダを動かすエネルギー源として使用するためにブドウ糖に変換され、血液中に運ばれます。
血液中のブドウ糖濃度のことを「血糖値」といいます。
糖質を摂取し血糖値が上がると、膵臓から「インスリン」が分泌されます。
インスリンはブドウ糖を細胞に取り込み、上がった血糖値を下げ、一定に保つ働きがあります。
糖質を摂取しすぎると、血糖値を下げるためにインスリンの分泌量が増加。
その結果、細胞へ取り込むブドウ糖が増え、脂肪として蓄えられ、「太る」「体脂肪が増える」原因となります!
炭水化物(糖質)の取るべき量
糖質の取るべき量は、「目的」「体格」「考え方」によって変わります。
リチャード・バーンスタイン医師は、「1日糖質量130g以内」の食事をすすめておられます。
この糖質量は、最近よく耳にする「糖質制限ダイエット」の中でも一番実行しやすく、健康面、ダイエット、筋肉を維持する観点からもおすすめです。
炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を知る
まず「炭水化物(糖質)」と聞くと思い浮かぶのが、ご飯、パン、うどん、パスタなどの主食ですよね。
しかし、糖質は主食以外にも、甘いお菓子、野菜、イモ類、果物に含まれています。
いくら主食の炭水化物(糖質)のコントロールをしても、糖質の多い他の食材を多く食べると、
糖質量の摂取し過ぎにつながり、インスリンが多く分泌され、脂肪を蓄えてしまいます。
したがって、各食材に含まれる糖質量を知ることがとても大切です。
糖質が多く含まれる食品(100gあたり)
- ご飯:36.8g
- 玄米ご飯:34.2g
- もち:50.3g
- 食パン:44.3g
- フランスパン:54.8g
- ライ麦パン:47.1g
- うどん(ゆで):20.8g
- 中華麺(ゆで):27.9g
- そば(ゆで):24.0g
- スパゲティー(ゆで):30.3g
- ピザ生地:48.8g
- さつまいも:29.7g
- じゃがいも:16.3g
- さといも:10.8g
- 長いも:21.2g
- 緑豆はるさめ(ゆで):19.1g
- かぼちゃ:17.1g
- スイートコーン:13.8g
- れんこん:13.5g
- そら豆:12.9g
- ごぼう:9.7g
- 玉ねぎ:7.2g
- にんじん:6.5g
- パプリカ:5.6g
- バナナ:21.4g
- りんご:14.1g
- さくらんぼ:14.0g
- ぶどう(生):15.2g
- ぶどう(干):76.6g
- ぶどうジュース:14.4g
- ぶどうジャム:46.0g
- 柿(生):14.3g
- 柿(干):57.3g
- 上白糖:99.3g
- はちみつ:81.9g
- メープルシロップ:66.3g
- 中濃ソース:29.9g
- みりん風調味料:55.7g
- トマトケチャップ:25.9g
- カステラ:62.6g
- ドーナツ:42.4g
- マシュマロ:79.3g
- みたらい団子:44.9g
- 揚げ煎餅:70.7g
- ポテトチップス:50.5g
- メロンパン:58.2g
ご飯やパンなどの主食以外にも、糖質は含まれています。
特に、甘いお菓子や揚げられたせんべいは、要注意です!
何気なくお菓子や甘めの味付けの料理を食べたり、ジュースや砂糖入りのコーヒーを飲んだりしていると、知らないうちに糖質をとりすぎています!
それぞれの食品の糖質量を知り、適正な糖質量を摂取しましょう。
糖質が少ない食品を取り入れる
キャベツ、ほうれん草などの葉物野菜、しいたけ、マッシュルームなどのきのこ類、鶏肉、牛肉、豚肉などの肉類、マグロなどの魚介類、豆腐などの大豆製品、チーズなどの乳製品、卵は糖質が少ない食材です。
糖質コントロールで、減少した摂取カロリーを、これらの食材を上手に取り入れしっかり補いましょう。
炭水化物(糖質)の量をコントロール!管理栄養士おすすめ簡単糖質OFFレシピ♪
炭水化物を控えると、食事のボリューム感、満足感が少なくなり、ご飯好きの方にはとても辛いですよね!
そこで、今回は糖質をコントロールしても、物足りなさを感じさせない、ダイエットや筋肉をつけたい方へおすすめの簡単レシピをご紹介します。
カロリー、糖質OFFでもボリューム満点♪木綿豆腐のチャーハン
ご飯の量を減らすと、食事の満足感が減りがち。
そんな時に活躍するのが、大豆製品です!
大豆製品は、タンパク質が豊富で、脂質、糖質が少ないのが特徴。
ダイエット中や脂肪を減らし筋肉をつけたい人におすすめの食材です。
カロリー、糖質OFFでもボリューム満点♪木綿豆腐チャーハンの作り方
原材料 | 2人分 |
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木綿豆腐 | 1丁(300g) |
温かいご飯 | 100g |
ニラ | 1/2束 |
卵 | 1個 |
醤油 | 小さじ1 |
塩 | 少々 |
コショウ | 少々 |
①木綿豆腐をクッキングペーパーで包み、電子レンジで1分加熱し、水切りをします。
②フライパンへ木綿豆腐を入れ細かく崩しながら、炒めます。
③豆腐の水気がなくなったら、ニラを加え炒めます。
ニラに火が入ったら、温めたご飯、塩、コショウ、醤油を加え、さらに炒めます。
④③をフライパンのはしへ寄せ、卵を割り入れ、スクランブルエッグを作ります。
⑤スクランブルエッグと全体を混ぜ合わせ、皿に盛り付け出来上がり。
栄養価 | 1人分 |
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エネルギー | 244kcal |
タンパク質 | 15.5g |
脂質 | 9.7g |
糖質 | 20.9g |
木綿豆腐は食べごたえもあり、ダイエット中にはおすすめです。
さらに、抗酸化作用や血中の脂質を低下させる大豆サポニンなども含まれ、栄養満点な食品です。
木綿豆腐チャーハンはお好きな具材で飽きることなく楽しめますよ♪
鶏胸肉とご飯で簡単♪サムゲタン風
糖質が低く、低脂質で高タンパクな鶏胸肉を使った、簡単サムゲタン風レシピです。
ご飯を煮ることで、お米に水分がたっぷり含まれ、少ないお米でもお腹が満たされます。
鶏胸肉とご飯で簡単♪サムゲタン風の作り方
原材料 | 2人分 |
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鶏胸肉 | 1枚(約200g) |
長ネギ | 1本 |
ご飯 | 100g |
鶏がらスープの素 | 小さじ1 |
塩 | 少々 |
コショウ | 少々 |
水 | 500ml |
①長ネギは斜め薄切りにします。
鶏胸肉は皮を外します。
②鍋へ鶏胸肉、水約500ml(鶏肉が水に浸かるくらい)を入れ、火にかけます。
アクが出てきたら、取り除きます。
②アクを取ったら、長ネギを入れ鶏肉の中まで火が通るまで煮込みます。
③火が通った鶏肉は器に取り出し、熱いのでフォークなどを使って食べやすい大きさにほぐしておきます。
④ほぐした鶏肉を鍋へ戻し、そこへご飯、鶏がらスープの素、塩、コショウを加え、味を整えます。
⑤ご飯がお好みの柔らかさになったら、皿に盛り付け出来上がり。
栄養価 | 1人分 |
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エネルギー | 217kcal |
タンパク質 | 25.3g |
脂質 | 2.2g |
糖質 | 21.4g |
長ネギの青い部分、いつも捨てていませんか?
少し硬いですが、白い部分に比べ、青い部分にはβカロテン、ビタミンC、カルシウムなどが豊富に含まれています。
細かく刻んで、青い部分も捨てずに食べましょう。
まとめ
炭水化物(糖質)を極端に避けた食事制限によるダイエットは、脂肪より筋肉を減らしてしまう可能性があります。
炭水化物を適量取り入れ、健康的に効率よく筋肉をつけましょう。
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